ザクロ(柘榴)の花言葉は「円熟した優美」「優美」「子孫の守護」が代表的です。初夏に咲く朱赤の花からは「円熟した優美」、粒がぎっしり詰まった実からは「子孫の守護」が生まれました。一方、ヨーロッパの花言葉には実を「愚かしさ」とするものもあり、花と実で意味が分かれているのがザクロの特徴です。
この記事では、花言葉の一覧と由来、「怖い」と言われる理由、植物としての特徴や名前の由来、誕生花の日付と贈り方までをまとめました。
ザクロの花言葉は「円熟した優美」|花と実で意味が分かれる
ザクロの花言葉は、大きく「花」と「実」の2つに分けて紹介されます。花には大人の美しさをたたえる言葉が、実には家族や命のつながりを願う言葉があてられています。
ザクロは実の印象が強い木ですが、花の季節にも昔から目が向けられてきました。中国では、ザクロの花が咲く旧暦5月を「榴月(りゅうげつ)」と呼んできました。実りの秋とは別に、花どきの月が名前として残るほど、花そのものも愛されてきたのです。
ザクロの花言葉一覧
花言葉は、決まった機関が定めているものではありません。本やサイトによって表現が少しずつ違います。ザクロについてよく紹介されている花言葉を、花と実に分けて整理しました。
| 部分 | 花言葉 | 主な背景 |
|---|---|---|
| 花 | 円熟した優美・優美 | 濃い緑の葉の中で咲く、朱赤の華やかな花 |
| 実 | 子孫の守護 | ひとつの実にたくさんの種が詰まっていること |
| 実(西洋) | 愚かしさ | 19世紀イギリスの花言葉の本の記述 |
当サイトの誕生花一覧では、ザクロの花言葉を「円熟した優美」として紹介しています。贈り物に添えるなら、まずはこの言葉を覚えておけば十分です。
花の花言葉「円熟した優美」「優美」
「円熟」とは、経験を重ねて人柄や技が深まり、ゆとりのある状態になることです。「円熟した優美」は、若さゆえの華やかさではなく、年齢や経験を重ねたからこそにじみ出る落ち着いた美しさを表しています。
「優美」はその短い形で、上品でしなやかな美しさを意味します。ザクロの花はつやのある肉厚の萼(がく)から、しわの寄った薄い花びらがのぞく独特の形をしています。華やかでありながらどこか落ち着いた花姿が、こうした言葉に結びつきました。
実の花言葉「子孫の守護」
ザクロの実を割ると、中には赤い粒がすき間なく詰まっています。この粒ひとつひとつが種を包んだ果肉です。たくさんの種を抱えた姿が、子どもや子孫がたくさん生まれて栄えることにたとえられ、「子孫の守護」という花言葉になりました。
花言葉は花につけられるのが一般的ですが、ザクロのように実の印象が強い植物では、実に由来する言葉も一緒に紹介されます。結婚や出産のお祝いの話題で、ザクロが縁起のよい植物として取り上げられるのはこのためです。
英語の花言葉は「mature elegance」と「foolishness」
19世紀のイギリスで出版された花言葉の本では、ザクロ(実)に「foolishness(愚かしさ)」があてられています。花のほうには「mature elegance(円熟した優美)」をあてる英語の資料があり、日本の「円熟した優美」はこれを訳したものと考えられます。
実がなぜ「愚かしさ」なのかは、本の中で説明されておらず、はっきりした理由は伝わっていません。日本では「子孫の守護」のほうがよく知られており、「愚かしさ」は西洋の花言葉として補足的に紹介されることがほとんどです。
ザクロの花言葉は、花が「円熟した優美」、実が「子孫の守護」と覚えておくとわかりやすくなります。大人の美しさと家族の繁栄、その両方を表せる珍しい植物です。
ザクロの花言葉の由来|初夏の赤い花と粒の詰まった実
ザクロは、旧約聖書にも登場する古い果樹です。出エジプト記には、祭司が着る衣のすそに、青・紫・緋色の糸でザクロをかたどった飾りをつけるよう記されています。すそのまわりには、金の鈴とザクロの飾りを交互に並べることになっていました。
ザクロの花言葉は、見た目の印象だけでなく、古くから各地で受け継がれてきたザクロのイメージとも深く結びついています。花と実、それぞれの由来を見ていきましょう。
「円熟した優美」は緑の中に咲く朱赤の花から
ザクロの花が咲くのは、梅雨どきの6月から7月ごろです。この時期は木々の葉がすっかり茂り、庭も山も緑一色になります。その中でザクロは、鮮やかな朱赤の花をぽつぽつと咲かせます。
花がつくのは、その年の春から新しく伸びた枝です。花は葉の茂った枝に咲くので、朱赤のすぐまわりにも緑の葉が重なって見えます。
春の花のように一斉に咲きそろうのではなく、深い緑を背景にして静かに目を引く咲き方です。派手すぎず、それでいて存在感がある姿は、経験を重ねた大人の落ち着いた美しさに重ねられてきました。

「子孫の守護」は豊穣と多産の象徴から
ザクロは種が多いことから、古代ギリシャやローマでは豊穣(ほうじょう)のシンボルとされていました。のちのキリスト教の世界でも、再生や永遠の命への希望を表すものとして絵画や装飾に描かれています。
中国でも、たくさんの種は「多くの子ども」を表す縁起物とされてきました。ザクロの実が割れて種がのぞく様子を描いた図柄は、子宝や一族の繁栄を願う吉祥の文様として親しまれています。地域は違っても、ザクロの実に「命が受け継がれていくこと」を重ねる考え方は共通しているのです。
「紅一点」の語源になったザクロの花
男性の中にひとりだけ女性がいることを「紅一点(こういってん)」といいます。この言葉は、中国・宋の時代の王安石の作と伝わる詩の一節「万緑叢中紅一点(ばんりょくそうちゅう こういってん)」が語源とされています。一面の緑の草むらの中に、赤い花がひとつだけ咲いている情景を詠んだもので、その赤い花がザクロだといわれています。
緑の中にひときわ映える赤い花というイメージは、「円熟した優美」の由来とも重なります。花言葉と一緒に覚えておくと、ザクロの花を見かけたときのちょっとした話題になるでしょう。
ザクロの花言葉は怖い?噂のもとになった話
ザクロの花言葉そのものに、死や呪いのような怖い意味はありません。ただ、ザクロには少し背筋が寒くなる言い伝えや神話がいくつかあり、それが「怖い」というイメージにつながっています。
もっとも、ザクロの神話が語り継がれてきたギリシャでも、実そのものは縁起のよい果物です。新年を迎えるときに家の戸口でザクロの実を割り、飛び散った粒が多いほど、その1年に恵まれる幸運も多いとする習わしが今も伝わっています。
鬼子母神と「吉祥果」の言い伝え
ザクロの怖い噂でよく取り上げられるのが、鬼子母神(きしもじん)の話です。仏教の説話では、鬼子母神はもともと人間の子どもをさらって食べる鬼女でした。困った人々の願いを聞いた釈迦が、鬼子母神がかわいがっていた末っ子を隠したところ、鬼子母神は子を失う親の悲しみを知って改心します。その後は子どもと安産を守る神としてまつられるようになりました。
鬼子母神の像や絵には、手にザクロを持つ姿で表されるものがあります。ザクロは「吉祥果(きっしょうか)」と呼ばれ、幸せを招く果実とされています。ところが、日本では「人の肉の代わりにザクロを与えられた」「ザクロは人の肉の味がする」という俗説が広まりました。これは経典に書かれた話ではなく、後から生まれた言い伝えです。
むしろ鬼子母神とザクロの組み合わせが表しているのは、子どもを守り育てる力です。実の花言葉「子孫の守護」とも、意味がぴったり重なります。
ギリシャ神話のペルセポネとザクロの実
ギリシャ神話にも、ザクロが登場する有名な話があります。豊穣の女神デメテルの娘ペルセポネは、冥界の王ハデスにさらわれ、冥界でザクロの実を数粒食べてしまいました。冥界の食べ物を口にした者は冥界に属するという決まりがあったため、ペルセポネは1年のうち一定の期間を冥界で過ごさなければならなくなります。
娘がいない間、悲しんだデメテルが実りの仕事をしなくなるため、地上に作物の育たない季節が生まれた、というのがこの神話の結末です。季節の移り変わりを説明する物語として知られています。食べた粒の数は、語り手によって違います。
冥界と結びつく話なので怖い印象を持たれがちですが、ここでもザクロは「命の巡り」や「再生」を象徴する存在です。冬が終われば娘が戻り、地上に再び実りが訪れるからです。
「愚かしさ」も怖い意味ではない
西洋の花言葉「愚かしさ」も、ネガティブに聞こえるため気にする人がいるかもしれません。ただ、これは人をおとしめたり不幸を願ったりする言葉ではなく、日本でザクロの花言葉として前面に出されることもほとんどありません。
19世紀の英語の花言葉の本には、オダマキ(コロンバイン)に「folly(愚かさ)」をあてたものもあります。当時の花言葉には、好意を伝える言葉だけでなく、断りや戒めの意味を持つ言葉もいくつも含まれていました。ザクロの「愚かしさ」も、そうした言葉のひとつとして一覧に並んでいたものです。
本当に「怖い」とされる花言葉は、死や裏切り、復讐などを表すものです。どんな花がそうした意味を持つのか気になる場合は、次の記事で由来とともにまとめています。

ザクロはどんな植物?花と実の季節・名前の由来
ザクロは、ミソハギ科ザクロ属の落葉性の小高木です。以前の分類ではザクロ科とされていました。原産地は西アジアのイラン周辺と考えられており、日本へは中国を経て伝わったとされています。
木の高さは5〜6mほどになり、枝分かれが多く、枝にはところどころにとげがあります。日本に伝わったのは8〜9世紀ごろと考えられ、平安時代の918年ごろにまとめられた『本草和名(ほんぞうわみょう)』にも「安石榴」の名で載っています。
花は6〜7月、実は9〜10月
ザクロは、花と実を楽しめる季節がはっきり分かれています。初夏に花が咲き、秋に実が熟すという流れです。
| 時期 | 見られるもの | 特徴 |
|---|---|---|
| 6〜7月ごろ | 花 | 朱赤の花。肉厚の萼の先から、しわの寄った花びらがのぞく |
| 9〜10月ごろ | 実 | 丸い実が赤く色づき、熟すと皮が割れて中の赤い粒が見える |
| 11月ごろ | 紅葉・落葉 | 葉が黄色く色づいてから落ちる |
熟した実が自然にぱっくり割れ、宝石のような粒がのぞく姿は、秋のザクロならではの光景です。実の先には、花のときの萼が王冠のような形で残っています。花の時期と実の時期の両方を知っておくと、贈り物に使う季節も選びやすくなります。

実を楽しむ「実ザクロ」と花を楽しむ「花ザクロ」
ザクロには、実を収穫するために育てる「実ザクロ」と、花を観賞するために改良された「花ザクロ」があります。花ザクロは八重咲きの品種が多く、花びらが幾重にも重なったボリュームのある花を咲かせます。花ザクロは実がつきにくいものが多いのも特徴です。
花の色も、定番の朱赤だけではありません。白、淡いピンク、赤と白の絞り模様などがあります。樹高が低く育つ「ヒメザクロ」は鉢植えや盆栽で親しまれていて、小さな鉢でも花と実を楽しめます。なお、日本では色ごとに決まった花言葉はなく、どの色も「円熟した優美」などザクロ全体の花言葉で紹介されています。
「柘榴」「石榴」の漢字と英名pomegranate
ザクロは漢字で「柘榴」または「石榴」と書きます。古くは「安石榴」とも書かれ、西域の「安石国」から伝わった「榴(こぶのある実の木)」という意味だとする説があります。「ざくろ」という読みは、「石榴」の音読み「じゃくろ」が変化したものとされています。
英名の「pomegranate(ポムグラネート)」は、ラテン語で「たくさんの粒をもつリンゴ」という意味の言葉に由来します。この「粒」を表す言葉からは、さまざまな言葉が生まれました。
- グラナダ:スペインの都市の名前。スペイン語でザクロを意味し、市の紋章にもザクロが描かれている
- ガーネット:1月の誕生石。深い赤の結晶がザクロの粒に似ていることから名づけられた
- 手榴弾:英語のグレネード(grenade)もザクロに由来し、漢字の「榴」もザクロを表す
1月の誕生石ガーネットの石言葉や、赤だけでなくオレンジ・緑まである色の種類については、次の記事でくわしく紹介しています。

ザクロを贈るシーンと誕生花の日付
ザクロは、花言葉の意味からお祝いの贈り物に向いている植物です。ただし、バラやガーベラのように花屋で一年中手に入る花ではないので、贈る時期と形を考えて選ぶのがポイントです。
結婚祝いの贈り物にザクロを使う場合は、カードの文面にも避けたい言葉があります。結婚のお祝いでは、離婚を思わせる「割れる」「切れる」などを使わないのがならわしです。ザクロの実は熟すと自然に割れますが、カードには「割れた実」とは書かず、「たくさんの実り」「あふれるほどの粒」のような言葉で花言葉の「子孫の守護」につなげると、お祝いにふさわしい文面になります。
誕生花は10月4日と12月28日
当サイトの誕生花一覧では、ザクロを10月4日と12月28日の誕生花として紹介しています。どちらの日も花言葉は「円熟した優美」です。10月4日は実が熟す季節にあたり、誕生日に実付きの枝や果実を添えるのにちょうどよい時期です。
誕生花の日付は資料によって違い、花の咲く初夏の日付にあてている資料もあります。同じ月のほかの日の誕生花も知りたい場合は、月ごとの一覧を参考にしてください。


結婚祝い・出産祝い・年齢を重ねた人へのお祝いに
花と実の2つの花言葉を生かすと、ザクロがよく合うシーンが見えてきます。
- 結婚祝い:実の「子孫の守護」に、家族の繁栄を願う気持ちを込めて
- 出産祝い:子どもを守る鬼子母神のザクロにちなんで、健やかな成長を願って
- 還暦・古希などの長寿祝い:花の「円熟した優美」で、重ねてきた年月をたたえて
- 母や年上の女性の誕生日:落ち着いた大人の美しさをたたえる言葉として
特に「円熟した優美」は、年齢を重ねることを前向きにたたえられる、数少ない花言葉です。若々しさをほめる言葉は多いものの、経験を重ねた美しさそのものを表す花言葉はあまりありません。年上の人への贈り物で花言葉に迷ったときに、覚えておきたい言葉です。
贈り方は実付きの枝・鉢植え・果実の3通り
ザクロの花は切り花として出回ることが少ないため、贈り方には工夫が必要です。主な形は次の3つです。
| 贈り方 | 向いている時期 | ポイント |
|---|---|---|
| 実付きの枝 | 秋 | 生け花やアレンジメントの花材として扱う花屋がある。季節感が出る |
| 鉢植え(ヒメザクロなど) | 春〜初夏 | 花と実を長く楽しめる。園芸店や通販で探せる |
| 果実 | 秋〜冬 | 果物店やスーパーで見かけることがある。輸入品が中心 |
実付きの枝は、秋の花束やアレンジメントに加えると、ほかの花にはない季節感が出ます。取り扱いは店や時期によって違うので、贈る日が決まっていれば早めに花屋へ相談しておくと安心です。
ザクロの花言葉に関するよくある質問
- ザクロの花言葉に怖い意味はありますか?
-
花言葉そのものに怖い意味はありません。鬼子母神の俗説やギリシャ神話の冥界の話から、怖いイメージを持たれることがありますが、どちらもザクロは子どもを守る力や命の巡りの象徴として登場します。
- 「柘榴」「石榴」は何と読みますか?
-
どちらも「ざくろ」と読みます。「石榴」の音読み「じゃくろ」が変化して「ざくろ」になったとされています。
- ザクロの花が咲くのはいつですか?
-
花は6〜7月ごろ、実が熟すのは9〜10月ごろです。花ザクロと呼ばれる観賞用の品種は八重咲きが多く、実がつきにくいものもあります。
- ザクロは何月何日の誕生花ですか?
-
誕生花の日付は資料によって異なります。当サイトの誕生花一覧では、10月4日と12月28日の誕生花として紹介しています。
- 英語の花言葉は何ですか?
-
実には、19世紀のイギリスの花言葉の本で「foolishness(愚かしさ)」があてられています。花には「mature elegance(円熟した優美)」をあてる資料があります。
まとめ
ザクロ(柘榴)の花言葉について、要点を振り返ります。
- 花の花言葉は「円熟した優美」「優美」、実の花言葉は「子孫の守護」
- 西洋では花が「mature elegance」、実が「foolishness(愚かしさ)」
- 「紅一点」は、緑の中に咲くザクロの赤い花を詠んだ詩が語源とされる
- 怖い噂は鬼子母神の俗説やペルセポネの神話から。花言葉に怖い意味はない
- 花は6〜7月、実は9〜10月。誕生花は10月4日・12月28日
ザクロは、初夏には緑の中に赤い花を咲かせ、秋には粒のぎっしり詰まった実を結びます。季節ごとに違う顔を見せる植物だからこそ、花と実のそれぞれに意味のある花言葉が生まれました。
年齢を重ねた人の美しさをたたえたいとき、新しい家族の幸せを願いたいときに、花言葉をひとこと添えてザクロを贈ってみてください。

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