中学生の読書感想文におすすめの本を選ぶ3つのコツ
読書感想文の成功は「本選び」で8割決まります。自分に合った1冊を見つけることが、スムーズに書くための第一歩です。
夏休みの宿題で毎年悩む読書感想文。「何を読めばいいかわからない」という中学生はとても多いものです。ここでは、感想文が書きやすい本を選ぶための3つのポイントを紹介します。
自分の体験や気持ちと重なるテーマを選ぶ
読書感想文で大切なのは、本の内容と自分の経験をつなげることです。部活をがんばっている人ならスポーツがテーマの小説、友達関係で悩んだ経験がある人なら人間関係を描いた作品を選ぶと、自分の言葉で感想が書きやすくなります。
「自分だったらどうするだろう」と考えられる本は、感想文の中身がぐっと深くなります。
ページ数200〜300ページ前後が書きやすい
あまりに長い本を選ぶと、読み終えるだけで時間がかかってしまいます。一方で薄すぎる本は内容が軽く、感想文のボリュームを出しにくいことも。200〜300ページ前後の本は、内容の深さと読みやすさのバランスがちょうどよいのでおすすめです。
あらすじを読んで「気になる」と感じた本にする
書店や図書館で裏表紙のあらすじを読んだとき、「続きが読みたい」と思えるかどうかがポイントです。義務感だけで選んだ本は、読むのがつらくなりがちです。少しでも興味をひかれた1冊なら、自然と読み進められて感想も浮かびやすくなります。

【小説・物語】読書感想文が書きやすいおすすめ本5選
中学生の読書感想文には、登場人物の成長や葛藤が描かれた小説が定番です。感情移入しやすく、自分の体験と結びつけて書きやすい5冊を厳選しました。
『バッテリー』あさのあつこ
- 著者:あさのあつこ
- ページ数:約270ページ(文庫版・第1巻)
- テーマ:才能・努力・友情
天才的なピッチングセンスを持つ中学生・巧と、キャッチャーの豪のバッテリーを描いた青春野球小説です。才能があるゆえの孤独や、仲間との衝突がリアルに表現されています。
部活動に打ち込んでいる人なら、巧の葛藤に共感できる場面がきっと見つかります。「努力と才能のどちらが大切か」という問いかけは、感想文のテーマにぴったりです。
『カラフル』森 絵都
- 著者:森 絵都
- ページ数:約270ページ(文庫版)
- テーマ:自分らしさ・生きること
死んだはずの魂が、抽選に当たって別の中学生の体に「ホームステイ」するという不思議な設定の物語です。他人の人生を生きるうちに、生きることの意味を見つめ直していきます。
「自分のいいところって何だろう」と考えたことがある人は、主人公と一緒に答えを探すような読書体験ができます。読後に自分の考えが変わったポイントを書くと、深みのある感想文になります。
『西の魔女が死んだ』梨木香歩
- 著者:梨木香歩
- ページ数:約220ページ(文庫版)
- テーマ:成長・自立・家族
不登校になった中学生のまいが、「西の魔女」と呼ばれるおばあちゃんのもとで過ごすひと夏の物語です。おばあちゃんから教わる「魔女修行」は、自分で決めて自分で行動するという、とてもシンプルなものでした。
学校になじめない気持ちや、大人になることへの不安を感じたことがある人に響く作品です。まいの変化と自分の経験を重ねると、説得力のある感想文が仕上がります。
『夜のピクニック』恩田 陸
- 著者:恩田 陸
- ページ数:約340ページ(文庫版)
- テーマ:友情・青春・秘密
高校の伝統行事「歩行祭」で、夜通し80キロを歩く一日を描いた青春小説です。歩きながら交わされる会話の中で、登場人物たちの秘密や本音が少しずつ明かされていきます。
体育祭や文化祭など学校行事の思い出がある人なら、共感できるシーンが多いはず。友達との何気ない時間の大切さについて書くと、自分らしい感想文になります。
『博士の愛した数式』小川洋子
- 著者:小川洋子
- ページ数:約250ページ(文庫版)
- テーマ:記憶・思いやり・数学の美しさ
記憶が80分しか持たない数学の博士と、家政婦の「私」、その息子のルートの交流を描いた物語です。博士は毎朝「私」のことを忘れてしまいますが、数式を通じて3人の間には温かな絆が生まれます。
数学が好きな人はもちろん、苦手な人でも数の不思議に引き込まれる作品です。「記憶がなくなっても残るものは何か」というテーマは、感想文で自分なりの答えを書きやすいポイントになります。
【ノンフィクション・社会】考えが深まるおすすめ本5選
小説が苦手な人には、実話や社会の問題を扱ったノンフィクションがおすすめです。自分の意見を書きやすく、「考えたこと」を中心に感想文を組み立てられます。

『ホームレス中学生』田村 裕
お笑い芸人・麒麟の田村裕さんが、中学生のときに家族とバラバラになり公園で生活した実体験をつづったエッセイです。過酷な状況でもユーモアを忘れない語り口で、読みやすさは抜群です。
「当たり前の日常」のありがたさを考えるきっかけになります。自分の生活と比べて感じたことを率直に書くだけで、しっかりした感想文に仕上がります。
『14歳からの哲学』池田晶子
「自分とは何か」「生きるとは何か」「死とは何か」といった根本的な問いに、中学生にもわかる言葉で向き合った哲学入門書です。答えを教えるのではなく、自分で考えることを促してくれます。
哲学というと難しそうに感じますが、1つのテーマが短くまとまっているので読みやすい構成です。気になったテーマを1つ選んで、自分の考えを掘り下げると充実した感想文になります。
『夢をかなえるゾウ』水野敬也
ダメダメなサラリーマンのもとに、関西弁を話すゾウの神様・ガネーシャが現れるという設定のベストセラーです。「靴を磨く」「トイレを掃除する」といった小さな行動から人生が変わっていく様子が、会話形式でテンポよく描かれています。
物語を楽しみながら「自分を変えるにはどうすればいいか」を考えられる一冊です。ガネーシャの教えの中で、自分が実践したいと思ったことを書くと、説得力のある感想文が完成します。
『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』八木仁平
「好きなこと」「得意なこと」「大事にしていること」の3つを掛け合わせて、やりたいことを見つける方法を解説した実用書です。ワーク形式で実際に考えながら読み進められます。
将来の夢や進路を考え始める中学生の時期にちょうどよい内容です。本の内容に沿って自分のやりたいことを考えた過程を書くと、オリジナリティのある感想文になります。
『君たちはどう生きるか』吉野源三郎
1937年に出版されて以来、長く読み継がれてきた名著です。中学生のコペル君が、叔父さんとの対話を通じて「人間としてどう生きるか」を考えていきます。
いじめや貧困、社会のしくみなど、現代にも通じるテーマが多く取り上げられています。コペル君と同じ中学生の視点で「自分ならどうするか」を書くと、自然と深い感想文に仕上がります。
【短くて読みやすい】読書が苦手な中学生向けおすすめ本5選
『走れメロス』太宰 治
友との約束を守るために走り続けるメロスの姿を描いた、国語の教科書でもおなじみの短編小説です。文庫版なら数十ページで読み切れます。
短い作品ですが、「信頼とは何か」「人を信じることの難しさ」という大きなテーマが詰まっています。教科書で一度読んだことがある人も、改めてじっくり読むと新しい発見があるはずです。
『星の王子さま』サン=テグジュペリ
砂漠に不時着した飛行士が、小さな星からやってきた王子さまと出会う物語です。やさしい言葉で書かれていますが、「大切なものは目に見えない」というメッセージは深く心に残ります。
子ども向けの本に見えて、実は大人になるほど響く不思議な作品です。王子さまの言葉の中で、特に印象に残ったフレーズを取り上げて感想を書く方法が書きやすいのでおすすめです。
『窓ぎわのトットちゃん』黒柳徹子
黒柳徹子さんの小学生時代の実話をもとにした自伝的作品です。型破りなトットちゃんを温かく受け入れるトモエ学園の小林先生の教育方針が、いきいきと描かれています。
「自分らしさを認めてもらえるってどういうことだろう」と考えさせられる一冊です。今の自分の学校生活と比べながら読むと、感想文のネタが自然に見つかります。
『100万回生きたねこ』佐野洋子
絵本として知られる作品ですが、「愛すること」「本当に生きること」をテーマにした深い物語で、中学生の読書感想文にも十分使えます。100万回生きて100万回死んだねこが、最後に本当に大切な存在と出会います。
ページ数が少ない分、一つひとつの場面をじっくり考えることができます。「なぜ最後のねこは生き返らなかったのか」という問いを軸にすると、深い感想文が書けます。
『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』ブレイディみかこ
イギリスで暮らす日本人の母と、アイルランド人の父を持つ息子の中学校生活を描いたエッセイです。人種、貧困、ジェンダーなど、多様性にまつわるエピソードがわかりやすく語られています。
日本にいると気づきにくい「違い」について考えるきっかけになります。異文化理解や多様性に興味がある人にはぴったりの一冊です。自分の学校生活と比較して書くと、読み応えのある感想文に仕上がります。
読書感想文が書きやすくなる本の読み方
おすすめの本が決まったら、次は「読み方」を工夫してみましょう。少しのコツで、感想文を書くときの材料がぐっと増えます。

付箋を貼りながら読む
心が動いた場面や、印象に残ったセリフに付箋を貼りながら読んでみてください。読み終えたあとに付箋のページを見返すだけで、感想文に書きたいポイントが整理できます。
付箋の色を「共感した場面」「疑問に感じた場面」「心に残った言葉」のように使い分けると、さらに効率的です。
「なぜ?」と思った場面をメモする
登場人物の行動や、物語の展開に「なぜだろう?」と疑問を持つことが大切です。その疑問こそが、感想文のテーマになります。
登場人物と自分を比べてみる
「自分が同じ立場だったらどうするか」を考えながら読むと、感想文の核になる意見が生まれます。登場人物に共感した部分だけでなく、「自分とは違うな」と感じた部分も大切な感想の材料です。
共感と違和感の両方を書くことで、ただのあらすじ紹介ではない、自分だけの感想文が完成します。

よくある質問
- 課題図書じゃないとダメですか?
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学校によって異なります。課題図書が指定されている場合はそちらを優先しましょう。「自由図書でもOK」という場合は、この記事で紹介した本から選ぶのがおすすめです。
- 読書感想文は何文字くらい書けばいいですか?
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青少年読書感想文全国コンクールの場合、中学生は本文2,000文字以内(原稿用紙5枚以内)が目安です。学校独自の課題であれば、指定された文字数に従ってください。
- 映画化された本を選んでもいいですか?
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もちろん大丈夫です。ただし、感想文はあくまで「本を読んだ感想」を書くものです。映画の内容ではなく、原作を読んで感じたことをもとに書きましょう。映画と原作の違いに触れるのも面白い切り口になります。
- まんがや絵本でも読書感想文を書けますか?
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コンクールによっては対象外の場合がありますが、学校の課題であれば認められることも多いです。『100万回生きたねこ』のような絵本でも、テーマが深い作品なら充実した感想文が書けます。事前に先生に確認しておくと安心です。
まとめ
中学生の読書感想文は、自分に合った本を選ぶことが何より大切です。
この記事では、読書感想文におすすめの本を3つのジャンルに分けて15冊紹介しました。
- 小説・物語:感情移入しやすく、自分の体験と結びつけやすい
- ノンフィクション・社会:自分の意見を軸にした感想文が書ける
- 短くて読みやすい本:読書が苦手でも完読できて、中身も深い
本を選んだら、付箋を貼りながら読み、「なぜ?」と思った場面をメモしておくと、感想文がスムーズに書けます。登場人物と自分を比べてみることで、あらすじ紹介で終わらない、自分だけの感想文が完成します。
まずは気になる1冊を手に取って、ページをめくるところから始めてみてください。

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