すみれ(菫)の花言葉|色別の意味と由来・贈り方

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すみれ(菫)の花言葉は「謙虚」「誠実」「小さな幸せ」です。道ばたや野原に低く、ひっそりと咲く姿から、控えめで誠実な人柄を表す花言葉がつけられました。怖い意味や悪い意味はなく、贈り物にも安心して選べる花です。

この記事では、紫・白・黄色・ピンクの色別の花言葉、万葉集やギリシャ神話にまつわる由来、英語の花言葉、贈るシーンと組み合わせ、パンジー・ビオラとの違いまでをまとめました。

目次

すみれ(菫)の花言葉は「謙虚」「誠実」「小さな幸せ」

すみれの花言葉は、色を問わず「謙虚」「誠実」「小さな幸せ」が代表的です。どれも、高さ10cmほどの小さな花が足もとで静かに咲く様子に重ねられた言葉といえます。そのうえで、花の色ごとに少しずつ違う意味が添えられています。

植物の図鑑で「スミレ」と書くと、濃い紫の花を咲かせる1つの種を指します。ただ、ふだんの会話で「すみれ」と言うときは、野山や道ばたで見かけるさまざまな仲間がひとまとめに含まれます。この記事の花言葉も、特定の1種に限らず、その仲間全体に向けたものです。

花言葉の一覧(全体と色別)

すみれの花言葉を、全体と色別に一覧にしました。花言葉は国や資料によって表現が少しずつ違うため、ここでは日本でよく紹介されているものを中心に載せています。

区分花言葉
すみれ全体謙虚・誠実・小さな幸せ
紫のすみれ貞節・愛・慎み深さ
白いすみれあどけない恋・純潔・無邪気な恋
黄色のすみれ田園の幸福・つつましい喜び
ピンクのすみれ希望

全体の花言葉が「人柄」を表すのに対し、色別の花言葉は「恋」や「幸せ」など気持ちを表すものが多いのが特徴です。贈る相手や伝えたい気持ちが決まっているなら、色から選ぶと意味が伝わりやすくなります。

すみれに怖い花言葉はある?

すみれには、怖い意味やネガティブな意味の花言葉は見当たりません。「死」や「裏切り」のような言葉を持つ花もありますが、すみれの花言葉はどの色も前向きなものばかりです。

ほかの花では「嫉妬」などの意味がつきやすい黄色も、すみれの場合は「田園の幸福」「つつましい喜び」とおだやかな意味です。色で迷っても、意味で失敗する心配が少ない花といえます。

すみれは、どの色を選んでも前向きな意味が伝わる花です。迷ったときは、全体の花言葉「謙虚」「誠実」「小さな幸せ」を思い浮かべて選んでみてください。

花言葉の中から可愛らしい意味のものを集めた一覧は、次の記事で紹介しています。

色別のすみれの花言葉(紫・白・黄色・ピンク)

すみれといえば紫の印象が強いものの、花の色はそれだけではありません。地中海沿岸原産のニオイスミレは紫の花が基本ですが、白やピンクの花を咲かせる品種もあります。花によい香りがあり、学名に含まれる odorata も「香りのある」という意味です。英語でスイートバイオレットといえば、この種類を指します。

すみれの仲間は種類が多く、野山に咲く野生のものから園芸品種まで、さまざまな色があります。ここでは、色ごとの花言葉と、その色が合う贈り方を紹介します。

紫・白・黄色・ピンクの小さなすみれの花が横一列に並んで咲いている様子の手書き風スケッチ。ペン画のやわらかい線で、文字やラベルは描かない

紫のすみれ|「貞節」「愛」「慎み深さ」

紫は、すみれと聞いて多くの人が思い浮かべる色です。花言葉は「貞節」「愛」「慎み深さ」で、ひとりの相手を変わらず思い続ける誠実な愛情を表します。

派手さはなくても長く続く愛を表す意味なので、夫婦や長く付き合っているパートナーへの贈り物に向いています。結婚記念日に、小さな鉢植えを添えるのもすてきです。

日本語には「すみれ色(菫色)」という色の名前もあり、この花の紫をそのまま色の名前にしたものです。紫のすみれの贈り物には、包装紙やリボンをこの色に寄せた包み方がよく合います。

白いすみれ|「あどけない恋」「純潔」

白いすみれの花言葉は「あどけない恋」「純潔」「無邪気な恋」です。まだ形になっていない、淡くて素直な恋心をそのまま映したような意味を持っています。

野山では、白い花びらに紫のすじが入るツボスミレなど、白い花を咲かせるすみれも見られます。初恋や片思いのはじまりのように、気持ちをそっと伝えたい場面に合う色です。

白いすみれを鉢で贈るなら、ニオイスミレの白い花の品種も候補になります。色の意味に、この種類ならではの香りが加わります。

黄色のすみれ|「田園の幸福」「つつましい喜び」

黄色のすみれには「田園の幸福」「つつましい喜び」という花言葉があります。のどかな野原で過ごす時間のような、ささやかで満ち足りた幸せを表す言葉です。

日本の山地にはキスミレという黄色い野生種もありますが、身近で見かける黄色いものは園芸品種が中心です。新しい暮らしを始める人や、家族の穏やかな毎日を願う贈り物に向いています。

カードには「田園の幸福」という花言葉のあとに、「新しい町での毎日が、ゆったり楽しいものになりますように」のような願いの一文を続けると、言葉のかたさがやわらぎます。

ピンクのすみれ|「希望」

ピンクのすみれの花言葉は「希望」です。やさしい色合いが明るい未来を思わせることから、前向きな意味がつけられました。

入学や就職、引っ越しなど、新しい一歩を踏み出す人への応援に向いています。紫や白と比べると恋愛の意味合いが薄いので、友人や家族にも気軽に贈れる色です。

白と紫のすみれは、片思いの気持ちを伝える花としても選ばれています。恋の気持ちを表す花をまとめて知りたい場合は、次の記事も参考にしてください。

すみれの花言葉の由来|万葉集・ギリシャ神話・英語の意味

すみれは、日本でも西洋でも古くから親しまれてきた花です。花言葉の「謙虚」「誠実」は、野に低く咲く姿に加えて、こうした長い歴史の中で育まれたイメージから生まれました。

江戸時代には松尾芭蕉が、旅の途中で「山路来て何やらゆかしすみれ草」と詠んでいます(『野ざらし紀行』)。「ゆかし」は、なんとなく心がひかれるという意味の古い言葉で、山道の足もとに咲く小さな花へ思わず目がとまった様子が伝わる句です。俳句の季語としても、すみれは春に分類されます。

日本|万葉集の歌と「すみれ」という名前の由来

すみれは、奈良時代にまとめられた『万葉集』にも詠まれています。よく知られているのが、山部赤人の次の歌です。

「春の野に すみれ摘みにと 来しわれそ 野をなつかしみ 一夜寝にける」

すみれを摘みに春の野へ来たものの、野原があまりに慕わしくて一晩泊まってしまった、という意味の歌です。当時からすみれが、春の野を象徴する身近な花だったことがうかがえます。

「すみれ」という名前は、花の形が大工道具の「墨入れ(墨壺)」に似ていることから来たという説が知られています。ほかにも由来には諸説あります。

西洋|ギリシャ神話とナポレオンの逸話

ヨーロッパでもすみれは古くから愛されてきました。ギリシャ神話には、ゼウスが牛の姿に変えた少女イオのために、すみれが咲いたという話が伝わっています(咲かせたのは大地の女神ガイアとする語り方が一般的です)。ギリシャ語ですみれを「イオン」と呼ぶのは、この話と結びつけて語られることがあります。

フランス皇帝ナポレオンにも、すみれにまつわる逸話があります。1814年にエルバ島へ流されるとき、「すみれの咲くころに戻る」と言い残したと伝えられています。支持者たちは彼を「すみれ伍長」と呼び、すみれを仲間の目印にしたといわれています。

ナポレオンは翌1815年の春に実際にパリへ戻りました。その後もすみれはナポレオンを支持する人々の象徴として扱われ、「誠実」「忠実」のイメージを強めていきます。

英語の花言葉(violet)

すみれは英語で「violet(バイオレット)」です。英語圏の花言葉には「faithfulness(誠実・忠実)」「modesty(慎み深さ)」があり、日本の花言葉とよく似ています。

19世紀のイギリスで花言葉が流行した時代には、すみれは「I’ll always be true(いつまでも誠実でいます)」という気持ちを伝える花とされていました。なお英語の「shrinking violet」は「内気な人」を指す言い回しで、すみれの控えめなイメージがそのまま表れています。

すみれを贈るシーンと組み合わせ

すみれは多年草で、花が終わっても株は枯れずに残ります。手入れを続ければ、翌年の春にもまた同じ株から花が上がります。贈った鉢には、受け取った人の手元で次の春にもう一度花を見られる楽しみも残ります。

すみれは切り花としてはあまり出回らず、鉢植えや寄せ植えで贈ることが多い花です。春先に園芸店へ並ぶので、季節の贈り物として選びやすいでしょう。ここでは、すみれが合うシーンと、一緒に贈りたい花を紹介します。

誕生花として贈る

誕生花の日付は資料によって違い、すみれも複数の日付に挙げられています。当サイトの1月の誕生花一覧では、1月9日の誕生花として「誠実」の花言葉とともに紹介しています。ほかに、2月や3月の日付にあてている資料もあります。

誕生日が花の季節から外れているなら、生花の代わりに、すみれの絵をあしらったハンカチや器を贈れます。季節を選ばず、手元に長く残るのが利点です。

冬から春に誕生日を迎える人に、カードへ花言葉を書き添えて贈ると喜ばれます。1月生まれの人に贈る花を探しているなら、日付ごとの一覧が参考になります。

卒業・門出や感謝を伝えるとき

「誠実」「小さな幸せ」という花言葉は、お世話になった先生や上司への感謝にもなじみます。大げさになりすぎず、相手の人柄をたたえる気持ちが伝わるのがすみれのよさです。

組み合わせるなら、「清らかな心」の花言葉を持つカスミソウや、「親愛の情」を表すフリージアが合わせやすい花です。どちらも春に出回る花なので、すみれと季節感もそろいます。感謝を伝える花をほかにも探したい場合は、次の記事で目的別に紹介しています。

卒業や送別の場面で、門出を祝う意味の花を選びたいときは、こちらの記事も参考になります。

鉢植え・押し花・砂糖漬けで楽しむ

すみれは茎が短く、花束にはあまり向きません。小さな鉢植えや、ほかの春の花と合わせた寄せ植えにすると、長い期間楽しんでもらえます。

小さく平らな花は押し花にもしやすく、しおりやカードに仕立てて手紙に添えるのもおすすめです。フランスのトゥールーズでは、すみれの花の砂糖漬けが名物として知られています。

花を食べるときは、食用として育てられたものを使ってください。道ばたのすみれや観賞用の鉢植えは、農薬などの心配があるため口にしないようにしましょう。

すみれとパンジー・ビオラの違い

パンジーとビオラは、すみれと同じスミレ科スミレ属の仲間です。花の形はよく似ていますが、野生の花か園芸品種か、花の大きさ、咲く時期などに違いがあります。

野に咲く小さなすみれと、鉢植えのパンジー・ビオラが並んでいる様子の手書き風スケッチ。花の大きさの違いがわかる構図で、文字やラベルは描かない
項目すみれパンジービオラ
主な姿野山や道ばたに咲く野生種が中心園芸品種園芸品種
花の大きさ(目安)2cm前後5cm前後以上2〜4cm前後
主に咲く時期春(3〜5月ごろ)秋〜春秋〜春
主な花言葉謙虚・誠実・小さな幸せもの思い・私を思って少女の恋・誠実

パンジーとビオラの境ははっきり決まっておらず、一般には花の大きいものをパンジー、小さいものをビオラと呼び分けています。パンジーの名前は、フランス語で「もの思い」を意味する「パンセ」に由来するといわれ、花言葉もここから来ています。

同じ仲間でも、花言葉はそれぞれ違います。贈るときは、相手がすみれとパンジー・ビオラのどれを思い浮かべるかも考えて、カードに花の名前と花言葉を書き添えると誤解がありません。

すみれの花言葉に関するよくある質問

すみれの花言葉に怖い意味はありますか?

怖い意味の花言葉は見当たりません。全体の「謙虚」「誠実」「小さな幸せ」をはじめ、紫・白・黄色・ピンクのどの色も前向きな意味を持っています。

すみれは何月の誕生花ですか?

誕生花の日付は資料によって異なります。当サイトの1月の誕生花一覧では1月9日の誕生花として紹介していますが、2月や3月の日付にあてている資料もあります。

「すみれ」は漢字でどう書きますか?

漢字では「菫」と書きます。カタカナの「スミレ」は植物名として、ひらがなの「すみれ」は名前や歌などで使われることが多い表記です。

すみれの花はいつ咲きますか?

野山に咲くすみれは、春の3〜5月ごろが花の時期です。秋から春にかけて園芸店に並ぶのは、主に同じ仲間のパンジーやビオラです。

まとめ

すみれ(菫)の花言葉について、要点を振り返ります。

  • 全体の花言葉は「謙虚」「誠実」「小さな幸せ」
  • 紫は「貞節」「愛」、白は「あどけない恋」「純潔」、黄色は「田園の幸福」、ピンクは「希望」
  • 由来は野に低く咲く姿と、万葉集やギリシャ神話、ナポレオンの逸話などの長い歴史
  • 英語では「violet」。「faithfulness(誠実)」「modesty(慎み深さ)」の意味を持つ
  • パンジー・ビオラは同じ仲間だが、花言葉はそれぞれ違う

すみれは、控えめな姿の中に誠実な思いを込められる花です。大きな花束ほど相手の負担にならず、気持ちだけをそっと届けられます。

伝えたい気持ちに合わせて色を選び、花言葉をひとこと添えて、すみれを贈ってみてください。

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