通知表とは?見方・もらう時期・成績表や通信簿との違い

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通知表は、学期の終わりに学校から家庭へ渡される、子どもの学習と生活の様子をまとめた書類です。小学校では「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3つの観点を3段階で示す形が多く、中学校ではそれに1〜5の5段階の評定が加わります。

もらう時期は、3学期制なら年3回、2学期制なら年2回が基本です。この記事では、通信簿・あゆみ・成績表といった呼び方の違いから、評価の記号や所見欄の読み方、受け取った日の声かけ、保管の仕方までをまとめました。

目次

通知表とは?学校が家庭に学習と生活の様子を伝える書類

通知表は、学校での学習の成果や生活の様子を保護者に知らせ、家庭と学校が同じ方向を向いて子どもを支えるための書類です。テストの点数を並べた表ではありません。授業への取り組み方や友達との関わりまで含めて、学期の歩みを振り返る記録といえます。

通知表は小・中学校に限らず、高校でも学期ごとに配られます。高校では、科目ごとの評定とあわせて、その科目の単位数や欠課時数(出席しなかった授業の時間数)を記す学校もあり、科目を単位で修める仕組みに合わせた作りになっています。

法律で決まった書類ではない|作成は校長の裁量

意外に知られていませんが、通知表には法律上の作成義務がありません。教育委員会や学校が保護者向けに出している資料でも、通知表は学校が家庭への連絡のために作るもので、作成するかどうか、様式や内容をどうするかは校長の判断に委ねられていると説明されています。

そのため、記号の種類や観点の書き方、所見欄の長さ、配る回数まで、学校によってかなり違います。きょうだいで通う学校が違ったり、転校したりして「前の学校と全然違う」と感じるのはこのためです。読み方に迷ったときは、学校が配る「通知表の見方」のプリントや学年だよりの説明を確認するのが確実です。

通信簿・あゆみ・成績表…呼び方は学校や地域でさまざま

呼び名も1つではありません。現在は「通知表」が一般的ですが、以前は「通知票」と書かれることが多く、「通信簿(つうしんぼ)」と呼ぶ人もいます。

呼び方読み主な使われ方
通知表つうちひょう現在もっとも一般的な呼び方
通知票つうちひょう以前よく使われていた表記
通信簿つうしんぼ昔からの呼び方。会話でよく使われる
あゆみ・のびゆく子 など-学校が表紙につける独自の名前
成績表せいせきひょう中身を指す言い方。塾や高校・大学の成績にも使う

「あゆみ」「のびゆく子」「のびる力」のように、表紙に学校独自の名前をつけている例も少なくありません。「成績表」は中身を指す言い方として会話でよく使われ、塾のテスト結果や高校・大学の成績の一覧もこう呼ばれます。

どの名前で呼ばれていても、学期ごとの学びと生活を家庭に伝えるという役割は同じです。学校からのお便りに「あゆみを配ります」とあれば、通知表のことだと考えてかまいません。

指導要録・内申書(調査書)との違い

通知表とよく混同されるのが「指導要録」と「内申書(調査書)」です。名前の印象は似ていても、作る根拠と目的、読む人がそれぞれ違います。

書類作る根拠目的主に読む人
通知表法律上の義務はない家庭への連絡保護者・子ども
指導要録法令で作成と保存が義務づけられている学籍と指導の記録、証明の原簿学校(通常は家庭に渡らない)
内申書(調査書)入試の際に学校が作成受験先への成績・活動の報告受験先の学校

指導要録は学校に保管される公式の記録で、通知表は同じ評価をもとに家庭向けにわかりやすく作られていることが多いものです。中学校の内申書には通知表と同じ5段階の評定が使われるため、高校受験が近づくと通知表の数字の重みが増してきます。

通知表はいつもらう?3学期制と2学期制の違い

通知表をもらうのは、学期の最後の日です。3学期制の学校なら年3回、2学期制の学校なら年2回が基本になります。どちらの制度かは自治体や学校で異なるため、まずは通っている学校の年間行事予定で学期の区切りを確認しておきましょう。

全国では3学期制の学校が多数派です。文部科学省が公立の小・中学校を対象に行った平成30年度の調査では、小学校・中学校ともにおよそ8割が3学期制で、2学期制は2割弱でした。

3学期制は年3回(7月・12月・3月)

3学期制では、1学期の終業式が7月中旬〜下旬、2学期の終業式が12月下旬、3学期の修了式が3月下旬にあり、それぞれの日に通知表が渡されます。式のあとに教室へ戻り、担任の先生から一人ずつ手渡される流れが一般的です。

終業式の日は、通知表のほかに長期休みのしおりや宿題、上履き、道具箱など持ち帰る物が多くなります。大きめの手さげ袋を持たせておくと、通知表を折り曲げずに持ち帰れます。1学期の終業式前後の行事は、7月の学校行事の記事にまとめています。

2学期制・成績2期制は年2回(10月・3月)

2学期制では、前期が4月〜10月上旬、後期が10月中旬〜3月という区切りになり、通知表は10月上旬の前期終業式と3月の修了式の年2回です。夏休みや冬休みは学期の途中に入るため、7月と12月には通知表が配られません。

また、学期は3学期制のまま、成績の評価だけを年2回にまとめる「成績2期制」を取り入れている地域もあります。この場合も通知表を受け取るのは10月ごろと3月の2回です。1学期の終わりには、学校によって個人面談などで学習の様子を伝える形がとられます。

通知表をなくしたり、面談に置き換えたりする学校もある

通知表は法律で義務づけられた書類ではないため、学校の判断でやめることも制度上は可能です。実際に、通知表を廃止して面談で伝える形にしたり、配る回数を減らしたりする学校があることが報じられています。先生が所見を書く時間を、子どもと向き合う時間に回すことがねらいの一つとされています。

紙の冊子ではなく、学校の連絡用アプリなどで成績を知らせる例も一部で見られます。どの形で受け取るのかは、入学時の説明や学校だよりに書かれていることが多いでしょう。年度の初めに確認しておくと、学期末に戸惑わずに済みます。

通知表の見方|評価の記号・観点・所見欄の読み方

通知表は、教科ごとの「観点別の評価」、中学校ではそれをまとめた「評定」、そして先生が文章で書く「所見」の3つを軸に読むと理解しやすくなります。記号の数だけで判断せず、どの観点が伸びているのかを見るのがポイントです。

文章で評価が書かれる欄は、所見欄のほかにもあります。「特別の教科 道徳」は学習指導要領で数値などによる評価を行わないと定められており、通知表でも記号はつかず、授業での学びの様子が短い文章で書かれます。総合的な学習の時間も、記号の代わりに文章で評価を示す通知表が多くあります。

小学校は3観点×3段階(◎○△・A/B/C)

2020年度から全面実施されている小学校の学習指導要領のもとで、各教科の評価は次の3つの観点で整理されています。

  • 知識・技能:習ったことを覚え、使いこなせているか
  • 思考・判断・表現:知識を使って考え、自分の言葉で説明や表現ができるか
  • 主体的に学習に取り組む態度:粘り強く取り組み、学び方を工夫しようとしているか

それぞれの観点は「よくできる」「できる」「もう少し」のような3段階で示されます。記号は◎○△、A・B・C、言葉だけの表記など学校によってさまざまです。3年生以上では、観点をまとめた教科全体の評定(3段階)を載せている通知表もあります。

机の上に開いた通知表の冊子と鉛筆、ランドセルが置かれた様子の手書き風スケッチ。ペン画のラフな線で、通知表の中身の文字や数字は描かず、空白の枠だけにする

中学校は観点別評価+5段階の評定

中学校では、3つの観点の評価に加えて、教科ごとに1〜5の5段階の「評定」がつきます。評定は定期テストの点数だけで決まるわけではありません。提出物や授業での取り組みも含めた3観点の評価を総合して決められます。

9教科の評定は、高校入試の内申書(調査書)にも使われます。どの学年の成績を使うか、どう点数にするかは都道府県によって違うので、詳しくは学校の進路説明会や都道府県の入試の案内で確かめてください。高校の評定が大学の推薦入試でどう扱われるかは、次の記事で解説しています。

所見欄・行動の記録・出欠の記録も見る

教科の評価のほかに、通知表には「所見」「行動の記録」「特別活動の記録」「出欠の記録」などの欄があります。所見欄は担任の先生が子どもの様子を文章で書く欄です。授業中の発言や係活動、友達への接し方など、記号では表せない姿が書かれています。

行動の記録は「基本的な生活習慣」「責任感」「思いやり・協力」といった項目ごとに、よくできていれば○がつく形式がよく見られます。特別活動の記録には委員会やクラブ、係の活動が載り、出欠の記録では欠席・遅刻・早退の日数がわかります。学期中の生活リズムを振り返る材料としても役立つでしょう。

「よくできる」が少なくても慌てなくていい理由

いまの評価は、クラスの中での順位で決める「相対評価」ではありません。学習の目標をどこまで達成できたかで判断する「目標に準拠した評価」(いわゆる絶対評価)で、2002年度から指導要録でこの方式が基本になりました。

3段階の真ん中にあたる「できる」は、「おおむね満足できる」状態を示しています。つまり「できる」が並んでいるのは、目標をおおむね達成しているという意味です。「よくできる」の数を数えるより、「もう少し」がどの観点についているかを確かめるほうが、次の学期に生かせます。

「できる」は悪い評価ではなく、目標をおおむね達成したしるしです。見るべきなのは記号の数ではなく、どの観点に「もう少し」がついているかです。

通知表をもらった日に親ができること|声かけと見る順番

親子で通知表を開いたときの話し方は、所見欄の書かれ方とも関わります。所見欄の中心になるのは子どものよさや頑張りで、保護者向けの資料でこの欄の役割を説明している学校もあります。課題に触れる場合も、学校でこれから指導していく点として書き添える形がよく見られます。

通知表を受け取った日に大切なのは、評価を並べて反省会を開くことではありません。子どもが学期をやり遂げたことを、まず認めることです。そのうえで見る順番を決めておくと、親も落ち着いて話ができます。

最初は「おつかれさま」から|見る順番の目安

通知表を差し出すとき、子どもは多かれ少なかれ緊張しています。最初のひと言は評価に触れず、「おつかれさま」「よくがんばったね」と学期全体をねぎらう言葉にしましょう。見る順番は、次のように「よい点から課題へ」と進めると話が前向きになりやすくなります。

  1. 所見欄を一緒に読み、先生がほめている点を確認する
  2. 「よくできる」がついた観点を探し、具体的にほめる
  3. 出欠や行動の記録で、学期の生活を振り返る
  4. 「もう少し」がついた観点を1つだけ選び、次の学期の目標にする

課題を1つに絞るのは、いくつも並べて指摘すると「全部だめだった」と受け取られやすいからです。「冬休みは計算カードを毎日5分やってみようか」のように、長期休みの具体的な行動に落とし込むと次の学期につながります。

リビングのテーブルで親子が並んで座り、通知表を一緒にのぞき込んで笑顔で話している様子の手書き風スケッチ。ペン画のカジュアルな線で、文字や数字は描かない

避けたい声かけと言い換えの例

悪気のないひと言が、子どもには「通知表は叱られるもの」と伝わってしまうことがあります。よくある言い方と、言い換えの例をまとめました。

避けたい声かけ言い換えの例
なんで「もう少し」があるの?どこが難しかった?次はどうしたらいいかな
お兄ちゃんのときはもっとよかったのに1学期より〇〇ができるようになったね
これじゃ志望校は無理だよこの教科をどう伸ばすか一緒に考えよう
(評価だけ見て黙り込む)先生がこんなふうに書いてくれているよ
ごほうびは「よくできる」の数で決めるね毎日コツコツ取り組んだことがうれしいよ

比べる相手は、きょうだいや友達ではなく前の学期の本人です。中学生は内申点が気になる時期でもありますが、数字の話は気持ちが落ち着いた別の日に、本人の希望を聞きながら進めるほうがこじれにくくなります。

家庭からの返信欄・押印欄があるとき

通知表に「家庭から」「保護者より」といった返信欄があり、休み明けに学校へ返す形式の学校もあります。長い文章は必要ありません。学期中の家での様子や先生へのお礼を、2〜3文で書けば十分です。

  • 音読発表をがんばったと聞き、家でもうれしそうに話していました。2学期もよろしくお願いいたします。
  • 苦手な漢字に、冬休みは毎日少しずつ取り組む約束をしました。引き続きご指導をお願いします。
  • 学期中、温かく見守っていただきありがとうございました。家庭でも生活リズムを整えていきます。

押印欄やサイン欄は、保護者が内容を確認したことを示すためのものです。返却の日までに忘れずに記入し、返信欄とあわせて済ませておきましょう。

通知表の保管と扱い|返却・紛失・保管期間

多くの通知表は、表紙に子どもの氏名と学校名、担任の先生の名前が入り、なかのページに成績や出欠の日数までがまとまっています。家族で読み返すぶんには問題がなくても、ページを撮影してSNSに載せると、名前や学校名から本人が特定されるおそれがあります。

通知表は学期ごとにもらって家に置いておくものと思われがちですが、学校へ返すタイプもあります。扱い方を知っておくと、休み明けの「通知表を持っていくのを忘れた」を防げます。

次の学期に学校へ返す学校もある

1冊の通知表に1年分の記録を書き込んでいく形式では、学期末に持ち帰ったあと、保護者が確認して始業式の日などに学校へ返します。年度の最後の修了式で家庭に渡され、そのまま手元に残る流れです。

長期休み明けは提出物が多く、通知表の返却を忘れやすい時期です。宿題と同じ袋にまとめておく、提出物リストに書き込んでおくといった工夫をしておくと安心です。冬休みに入る前後の流れは、こちらの記事でも紹介しています。

なくした・汚したときは担任に相談

通知表をなくしたり、飲み物をこぼして汚したりした場合は、隠さずに早めに担任の先生へ連絡しましょう。対応は学校によって異なり、作り直してもらえる場合もあれば、別の用紙で記録を渡してもらう場合もあります。

通知表は公的な証明書ではないので、なくしても在籍や成績の記録そのものが消えるわけではありません。学校には指導要録が残っており、進学などで成績を証明する必要があるときは、学校が作る調査書や成績証明書が使われます。

卒業後はいつまで残す?

家庭での通知表の保管期間に決まりはありません。子どもの成長の記録として、卒業後もアルバムや母子手帳と一緒に残しておいてかまいません。

学校が保管する指導要録は、学校教育法施行規則で「学籍に関する記録」が20年間、「指導に関する記録」が5年間の保存と定められています。成績や所見にあたる部分は卒業から5年たつと学校に残らないこともあるため、手元の通知表があとから貴重な記録になる場合があります。

大人になってから「小学生のころ先生にこんなふうに見てもらっていたんだ」と読み返すのも、通知表ならではの楽しみです。湿気の少ない場所に、学年順にまとめて保管しておくと探しやすくなります。

通知表に関するよくある質問

通知表と通信簿は同じものですか?

同じものを指します。「通信簿」は昔からの呼び方で、いまは「通知表」と呼ぶのが一般的です。学校によっては「あゆみ」などの独自の名前がついています。

「できる」や評定の3が多いのは悪い成績ですか?

悪い成績ではありません。3段階の「できる」も、中学校の5段階の「3」も、学習の目標を「おおむね満足できる」状態まで達成していることを示しています。

評価に納得できないときはどうすればいいですか?

個人面談や連絡帳で、どの観点が課題だったのかを担任の先生に尋ねてみましょう。抗議ではなく「次に何を伸ばせばよいか」を聞く姿勢で相談すると、具体的な手がかりをもらいやすくなります。

通知表は英語で何といいますか?

「report card(レポートカード)」といいます。アメリカなどでも、学期ごとに成績や先生のコメントを家庭に知らせる書類として使われています。

通知表はそのまま受験に使われますか?

高校入試では、通知表そのものではなく、評定などをもとに中学校が作る調査書(内申書)が使われるのが一般的です。私立中学校の受験などで通知表のコピーの提出を求められる場合もあるので、募集要項で確認してください。

まとめ

通知表は、学期の学びと生活の様子を家庭に伝えるための書類です。法律で決まった様式はなく、呼び方や記号、配る回数は学校ごとに違います。

  • 3学期制は年3回(7月・12月・3月)、2学期制は年2回(10月・3月)
  • 小学校は3観点×3段階、中学校はそれに5段階の評定が加わる
  • 受け取った日はねぎらいから入り、所見欄を読んでから課題を1つに絞る
  • 学校へ返す形式かどうかを確かめ、なくしたら早めに担任へ相談する

3学期制の学校では、次の通知表は12月の終業式で渡されます。2学期末の面談や大掃除など、12月の学校の流れはこちらの記事にまとめています。

通知表は子どもを記号で測るためのものではなく、次の学期の伸びしろを見つけるための材料です。所見欄の言葉を手がかりに、親子で学期を振り返ってみてください。

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