学校推薦型選抜とは?指定校推薦・公募推薦の違いと出願時期

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学校推薦型選抜とは、高校の校長から推薦を受けて出願する大学入試のことです。2021年度入試から、それまでの「推薦入試」がこの名前に変わりました。大学が指定した高校の生徒だけが出願できる「指定校推薦」と、大学の出願条件を満たせば出願できる「公募推薦」の2種類があります。出願は11月1日以降、合格発表は12月1日以降と国のルールで決められています。この記事では、しくみと他の入試との違い、高1から始まるスケジュール、出願までの準備を順番に整理します。

目次

学校推薦型選抜とは?旧推薦入試の仕組み

学校推薦型選抜は、高校での成績や活動の積み重ねを、在籍する高校が推薦という形で保証して受ける入試です。当日の試験の点数だけで決まる入試ではなく、高校3年間の過ごし方そのものが評価の材料になります。まずは基本のしくみと、名前が変わった経緯を押さえておきましょう。

高校の校長の推薦が必要な大学入試

学校推薦型選抜のいちばんの特徴は、出願に高校の校長が書く推薦書が必要なことです。生徒が自分で申し込むだけでは出願できず、高校の中で「この生徒を推薦する」と認められる必要があります。

推薦を受けるには、大学が決めた出願条件を満たしていることが前提です。条件でよく使われるのは、高校の成績を数字にした評定平均値です。ほかに、部活動や生徒会、ボランティア、資格・検定の実績などを条件に加える大学もあります。

2021年度入試から「推薦入試」の名前が変わった

2021年度入試(2020年度に実施)の大学入試改革で、大学入試の3つの区分がそろって名前を変えました。親世代が受験したころの呼び方と対応させると、次のようになります。

以前の呼び方現在の呼び方ひとことで言うと
推薦入試学校推薦型選抜高校の推薦を受けて出願する
AO入試総合型選抜大学が求める人物像との合い方を見る
一般入試一般選抜学力試験の結果を中心に選ぶ

名前が変わったのと同時に、学力だけでなく「思考力・判断力・表現力」や「主体性」も含めて評価する方針がはっきり示されました。推薦だから書類だけで決まる、というイメージは今の制度には当てはまりません。

選考方法と、2027年度入試からの「面接必須化」

選考では、高校が作る調査書と推薦書に加えて、大学ごとの試験を組み合わせます。よく使われるのは面接、小論文、志望理由書、口頭試問などです。学科に関係する基礎学力のテストや、大学入学共通テストの成績を使う大学もあります。

2026年5月に文部科学省が通知した「令和9年度(2027年度)大学入学者選抜実施要項」では、総合型選抜と学校推薦型選抜で面接による評価を必ず行う方針が示されました。各大学は遅くとも2029年度入試までに面接を取り入れることになっています。

面接の有無や形式(個人・集団・オンライン)は大学・学部ごとに違い、移行期間中は年度によって変わることもあります。受ける年度の募集要項で必ず確認してください。

指定校推薦と公募推薦の違い【比較表】

学校推薦型選抜は、大きく指定校推薦と公募推薦に分かれます。違いを一言でまとめると、出願できる人が大学に「指定」されているかどうかです。どちらを選ぶかで、準備の中身も競う相手も変わります。

指定校推薦と公募推薦の違いを比べるイメージ(高校の推薦枠と、条件を満たせば出願できる入口の対比)
項目指定校推薦公募推薦
出願できる人大学が指定した高校の生徒大学の出願条件を満たす生徒
高校ごとの人数高校ごとに枠が決まっている高校ごとの人数制限がないことが多い
主な大学私立大学が中心私立大学・国公立大学
高校内の選考校内選考がある推薦を受けるための校内手続きがある
併願専願が原則専願制と併願制の両方がある
大学での競争校内選考を通れば競争は小さい他校の生徒と競う

指定校推薦:大学が指定した高校だけの推薦枠

指定校推薦は、大学が特定の高校に「この学部に◯名まで推薦できます」という枠を渡す方式です。枠は大学と高校の信頼関係で成り立っており、どの大学の枠があるかは高校によって違います。生徒は、自分の高校に届いている枠の一覧から志望先を選びます。

本当の勝負は、大学の選考より前の校内選考です。同じ枠を希望する生徒が複数いれば、評定平均や欠席日数、活動実績などで高校が推薦者を決めます。校内選考を通った生徒は大学の選考でも合格することが多い一方、面接や書類で基準に届かず不合格になる例もゼロではありません。

公募推薦:出願条件を満たせば出願できる

公募推薦は、大学が募集要項で出願条件を公表し、条件を満たして校長の推薦を受けた生徒なら、どの高校からでも出願できる方式です。条件は「評定平均◯以上」「現役生のみ」「専願」のように数字や項目で示されます。

他校の生徒と同じ土俵で競うため、倍率は大学・学部によって大きく違います。合格したら必ず入学する専願制のほかに、他大学との併願を認める併願制を用意している大学もあります。併願できるかどうかは、志望校選びの段階で確かめておきたいポイントです。

国公立大学の学校推薦型選抜(共通テストを課す型と課さない型)

国公立大学の学校推薦型選抜は、公募推薦の形が中心です。大学入学共通テストの成績を合否に使う型と、使わない型の2つがあります。地域の出身者を対象にした枠を設ける大学もあります。

共通テストを課す型では、11月ごろに書類や面接の選考があり、1月の共通テストを受けたあとで最終的な合否が決まります。そのため合格発表は2月ごろになることが多く、年内に進路が決まる私立大学の推薦とは流れが違います。1月の共通テストの時期に学校全体がどう動くかは、次の記事にまとめています。

一般選抜・総合型選抜との違い

学校推薦型選抜を検討するときは、ほかの2つの入試方式と並べて考えると判断しやすくなります。3つの違いは、推薦が必要かどうか、いつ出願していつ結果が出るか、何を中心に評価するか、の3点に集約されます。

3つの入試方式を一覧で比較

文部科学省の大学入学者選抜実施要項で決められた日程と、評価の中心をまとめると次のとおりです。日程は「この日より前には行わない」という下限のルールで、実際の日程は大学ごとに決まります。

項目学校推薦型選抜総合型選抜一般選抜
高校の推薦必要不要不要
出願11月1日以降9月1日以降1月ごろから
合否の発表12月1日以降11月1日以降2〜3月ごろ
評価の中心調査書・推薦書と面接・小論文など志望理由・活動実績と面接など学力試験
併願専願が多い専願が多い自由に併願できる

総合型選抜との違いで迷いやすいのは、どちらも書類と面接を使う点です。見分けるポイントは推薦書の有無で、総合型選抜は高校の推薦がなくても本人の意思で出願できます。その代わり、大学が掲げる「求める学生像(アドミッション・ポリシー)」に自分がどう合うかを、より細かく問われる傾向があります。

「専願」が多い点に注意

学校推薦型選抜は、合格したらその大学に入学することを約束する専願が多い入試です。とくに指定校推薦は、高校が大学に対して生徒を送り出す形なので、合格後に入学を取りやめることは想定されていません。

「第一志望は別にあるけれど、とりあえず推薦で押さえておきたい」という使い方には向いていません。第一志望が決まっていないうちに推薦へ進むと、合格後に後悔が残りやすくなります。本人が本当に行きたい大学かどうかを、出願前に家族で話しておくことが大切です。

学校推薦型選抜は「年内に決まる楽な入試」ではなく、「高校生活の積み重ねで、行きたい大学を早めに決める入試」です。第一志望がはっきりしている人ほど強みを生かせます。

学校推薦型選抜のスケジュール|高1〜高3の流れ

出願そのものは高3の11月ですが、準備は高1の春から始まっています。評定平均の対象が高1からの成績だからです。ここでは、私立大学の推薦を例に、3年間の流れを時期ごとに整理します。

高1から高3までの学校推薦型選抜のスケジュールをカレンダー風に示したイメージ

出願は11月1日以降、合格発表は12月1日以降

学校推薦型選抜の出願は11月1日以降、合否の発表は12月1日以降に行うと、文部科学省の実施要項で決められています。高3の1年間を時期ごとに並べると、おおよそ次の流れです。

時期(高3)主な動き
4〜6月志望校の候補を絞る。前年度の募集要項で出願条件と日程を確認する
6〜8月オープンキャンパスに参加する。三者面談で推薦を希望するか伝える
7〜10月指定校推薦の校内選考。志望理由書の下書きを始める
10月その年度の募集要項が出そろう。出願書類を高校に依頼する
11月出願。面接・小論文などの選考
12月合否の発表。合格したら入学手続き

書類は高校の先生に作ってもらう部分が多く、提出日の直前に頼んでも間に合いません。調査書や推薦書の依頼締め切りは高校ごとに決まっているので、担任の先生から早めに聞いておくと安心です。11月の学校全体の動きと、選考本番の時期の過ごし方は次の記事で確認できます。

指定校推薦の校内選考は夏〜秋

指定校推薦の校内選考は、夏休みの前後から秋にかけて行う高校が多く、9月から10月に結果が出る流れが一般的です。高校に届いた指定校の枠の一覧が公開され、希望者が申し込み、評定平均などをもとに推薦者が決まります。

枠の一覧が公開される時期や申し込みの方法は、高校によってかなり違います。「気づいたら締め切りが過ぎていた」とならないよう、高3の春のうちに進路指導の先生へ流れを確認しておきましょう。2学期が始まる9月の学校行事と、校内選考が重なる時期の様子はこちらにまとめています。

評定平均は高1の1学期から積み上がる

推薦で使う評定平均は、一般に高1から高3の1学期(前期)までの成績で計算します。高3になってから成績を上げても、平均に反映される期間は短く、数字を大きく動かすのは難しくなります。

高1・高2の定期テストや提出物の一つひとつが、そのまま推薦の条件に関わってきます。欠席日数を出願条件に入れる大学もあるため、生活リズムを崩さないことも準備のうちです。2学期の中間テストや評定の積み上げについては、10月の学校行事の記事でも触れています。

出願までの準備|評定平均・書類・面接

学校推薦型選抜の準備は、条件を満たしているかの確認、書類の準備、面接・小論文の対策の3つに分けて進めると整理しやすくなります。条件の確認を最初に済ませておくと、書類や面接の準備に集中できます。

評定平均の出し方と目安の調べ方

評定平均は、対象期間のすべての科目の評定(5段階)を合計し、科目数で割って出します。小数第2位を四捨五入して、小数第1位までで表すのが一般的です。たとえば評定の合計が123で科目数が30なら、123÷30=4.1になります。

出願に必要な数字は大学・学部ごとに違い、「全体の評定平均◯以上」に加えて「英語の評定◯以上」のように科目を指定する大学もあります。目安を知りたいときは、志望校の前年度の募集要項を見るのが確実です。指定校推薦の枠ごとの基準は公表されていないことが多いため、進路指導の先生に聞きましょう。

出願に必要な書類

出願書類は、高校が作るものと、本人が書くものに分かれます。どれが必要かは大学によって違うので、募集要項の一覧と照らし合わせて準備してください。

主な出願書類
  • 調査書:高校が作成する。評定や出欠、活動の記録が載る
  • 推薦書:校長名で高校が作成する。学校推薦型選抜ならではの書類
  • 志望理由書:本人が書く。その大学・学部を選んだ理由と入学後にしたいこと
  • 活動報告書:本人が書く。部活動・生徒会・ボランティア・資格などの実績
  • 入学志願書:大学の書式で本人が記入する(インターネット出願の大学も多い)
  • 入学検定料の払込みの控え、証明写真など

資格・検定の実績を書く場合は、合格証のコピーなどの証明書類を求められることがあります。英語の検定を出願条件に使う大学では、スコアの有効期限が決められている場合もあるため、受けた時期もあわせて確認しておきましょう。

志望理由書・面接・小論文の準備手順

志望理由書と面接、小論文はばらばらに対策するより、同じ「なぜこの大学で学びたいのか」を軸にしてつなげると、話す内容と書く内容がぶれません。次の順番で進めると、夏から秋の限られた時間でも準備が回ります。

STEP
大学・学部の方針を読み込む

大学のホームページや募集要項で、アドミッション・ポリシー(求める学生像)とカリキュラムを確認します。どんな学生を求め、入学後に何を学ぶのかを、自分の言葉で説明できる状態が出発点です。

STEP
高校生活の経験を書き出す

部活動や委員会、授業で興味を持ったテーマ、読んだ本などを時系列で書き出します。成果の大きさより、何を考えてどう動いたかを思い出せるものを残すと、面接で深く聞かれても答えられます。

STEP
志望理由書を書いて先生に読んでもらう

STEP1の大学の方針とSTEP2の経験をつないで、志望理由書の下書きを作ります。担任や教科の先生に読んでもらい、直しを2〜3回重ねると、伝わりにくい部分がはっきりします。

STEP
面接と小論文を練習する

志望理由書に書いた内容を声に出して説明する練習から始め、先生との模擬面接につなげます。小論文を課す大学では、過去の出題テーマを調べ、時間と字数を決めて書く練習をしておきましょう。

保護者ができるサポートは、書類の中身に手を入れることより、スケジュールの管理と話し相手になることです。出願期限や検定料の支払い、証明写真の準備など、事務的な部分を一緒に確認するだけでも本人の負担は軽くなります。面接の練習相手として、志望理由を聞き役になって質問してあげるのも役に立ちます。

学校推薦型選抜のよくある質問

学校推薦型選抜で不合格になることはありますか?

あります。公募推薦は他校の生徒と競うため、倍率によっては多くの受験生が不合格になります。指定校推薦も、校内選考を通れば必ず合格するわけではありません。面接の受け答えや書類の内容が基準に届かない場合は不合格になることがあるので、最後まで準備を続けてください。

学校推薦型選抜は他の大学と併願できますか?

指定校推薦は専願が原則のため、併願はできないと考えてください。公募推薦には、他大学との併願を認める併願制の大学もあります。併願できるかどうかは大学・学部ごとに違うので、募集要項の出願資格の欄で確認しましょう。

指定校推薦で合格したあとに辞退できますか?

指定校推薦は、入学することを前提に高校が推薦する入試なので、合格後の辞退は想定されていません。やむを得ない事情がある場合でも、まずは担任や進路指導の先生に相談してください。迷いがあるなら、校内選考に申し込む前に決めておくことが大切です。

評定平均が出願条件に少し足りないときはどうすればよいですか?

出願条件は満たしていないと出願できないため、同じ大学の学校推薦型選抜はあきらめることになります。ほかの大学で条件を満たす公募推薦を探すか、評定平均の条件がない、または低めの総合型選抜を検討する方法があります。一般選抜と並行して準備を進めておくと、選択肢を狭めずにすみます。

推薦で不合格だった場合、一般選抜は受けられますか?

受けられます。ただし学校推薦型選抜の結果が出るのは12月以降で、大学入学共通テストの出願はその前の秋に締め切られます。共通テストを使う可能性が少しでもあるなら、推薦の結果を待たずに共通テストへ出願し、勉強も並行して続けておくと安心です。

まとめ|学校推薦型選抜は高1からの積み重ねで決まる入試

学校推薦型選抜は、高校の校長の推薦を受けて出願する大学入試で、2021年度入試までの「推薦入試」にあたります。大学が指定した高校だけが出願できる指定校推薦と、条件を満たせば出願できる公募推薦の2種類があり、どちらも専願が多い点に注意が必要です。

出願は高3の11月1日以降、合格発表は12月1日以降ですが、評定平均の対象は高1からの成績です。2027年度入試からは面接を必ず行う方針も示され、書類と面接で「なぜこの大学なのか」を伝える力が一段と問われるようになります。

高1・高2は日々の成績と出席を大切にし、高3の春には志望校の募集要項と校内の手続きを確認する。この2つを押さえておけば、推薦を選ぶかどうかを落ち着いて判断できます。

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