カレンダーやSNSで「今日はサラダ記念日」という言葉を見かけたことはありませんか。名前は知っているけれど、そもそもいつなのか、誰が決めたのかまでは意外と知られていません。
サラダ記念日は毎年7月6日。もとになっているのは、歌人・俵万智さんが詠んだたった一首の短歌です。
この記事では、サラダ記念日の日付と由来、なぜ7月6日という日が選ばれたのか、そして当日の楽しみ方までをまとめて紹介します。作者本人が語った「日付の裏側」の話は、知ると誰かに話したくなる内容です。
サラダ記念日とは?まずは結論から
サラダ記念日は毎年7月6日で、日付が動くことはありません。国が定めた祝日ではなく、一冊の歌集をきっかけに全国へ広まった記念日です。
記念日の成り立ちは大きく三つに分かれます。法律で定められた国民の祝日、企業や業界団体が制定して登録するもの、そして作品や出来事から自然に定着したものです。サラダ記念日は三つめにあたり、旗振り役の団体がいないまま名前だけが全国に広まりました。
カレンダーや手帳によって記載の有無が分かれるのも、この成り立ちの違いによるものです。記載のないカレンダーを見かけても、記念日そのものが消えたわけではありません。
日付は毎年7月6日で固定
母の日のように「第◯日曜日」で動くタイプの記念日ではありません。曜日に関係なく、毎年7月6日がサラダ記念日です。
「なな(7)とむ(6)」のような語呂合わせでもありません。日付そのものが、由来となった短歌の中に詠み込まれているからです。
制定した団体がある記念日は、周年に合わせて日付が見直されることもあります。サラダ記念日は日付が作品の一部になっているため、動かす主体がそもそもいません。手帳やアプリの表記が7月6日でそろっているのは、その事情によるものです。
由来は俵万智さんの短歌一首
1987年に発表された歌集『サラダ記念日』の表題歌が、この記念日のすべての出発点です。歌集は大ヒットし、作品に登場する「七月六日」がそのまま記念日として定着しました。
歌集が世に出たのは1987年5月8日、版元は河出書房新社です。434首を収めた第一歌集で、表題歌はそのうちの一首にすぎません。刊行から2か月足らずで最初の7月6日を迎えた計算になります。
歌集の中で「この日を記念日にしましょう」と呼びかけているわけではありません。読者が表題歌の日付を覚え、その日にサラダの話をするようになった結果として、7月6日が記念日として扱われるようになりました。
国民の祝日ではありません
あくまで文化として広まった記念日なので、学校も会社も通常どおりです。決まった行事や儀式もなく、それぞれが自由に楽しむ日として親しまれています。
祝日を定める法律に名前がないため、振替休日や連休の対象にもなりません。スーパーの売り場や給食の献立で取り上げられることはあっても、行政が行事を主催するわけではない点が国民の祝日との違いです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 日付 | 毎年7月6日(固定) |
| 由来 | 俵万智さんの歌集『サラダ記念日』の表題歌 |
| 歌集の発行 | 1987年5月8日/河出書房新社 |
| 祝日かどうか | 国民の祝日ではない |
| 決まった行事 | 特になし(サラダを楽しむ日として定着) |
由来になった短歌とその意味
サラダ記念日の由来は、日本人なら一度は耳にしたことがある有名な一首です。国語の教科書に採用されたこともあり、学校で習った記憶がある人も多いでしょう。
教科書で目にする短歌には古語で書かれたものも多いなか、この一首は現代の話し言葉だけで組み立てられています。難しい漢語がなく、会話と日付という具体的なものしか出てこないため、一度読むだけで覚えてしまう人も少なくありません。
語釈を聞かなくても意味が分かる短歌は、当時はまだ多くありませんでした。読み手を選ばない言葉づかいが、教室でも家庭でも語られる一首になった理由の一つです。
短歌の全文と作者
「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日
俵万智『サラダ記念日』(河出書房新社、1987年)
作者の俵万智さんは1962年生まれの歌人です。この歌集を24歳のときに発表し、現代短歌の世界を一気に身近なものへと変えました。
音数を数えると「この味が(5)/いいねと君が(7)/言ったから(5)/七月六日は(8)/サラダ記念日(7)」となり、全体で三十二音。四句目が一音多い字余りです。定型から少しはみ出していても、声に出すと引っかかりなく流れます。
会話をかぎ括弧のまま歌の中に置いている点も、この一首の印象を決めています。ほめ言葉を要約せずそのまま残したことで、読む側が場面を思い浮かべやすくなりました。

この短歌、どこかで聞いたことある!
「この味がいいね」の一言が特別な日に変えた
この歌には、大事件と呼べるようなものは何ひとつ出てきません。手料理を食べた相手が、ひとこと「この味がいいね」とほめた。ただそれだけの場面です。
それでも、うれしかった側にとってその日は特別な一日になりました。何でもない日を、自分の気持ちひとつで記念日に変えてしまう。そのまっすぐな感覚が、多くの読者の心をつかみました。
サラダ記念日の本質は「サラダを食べる日」ではなく、何でもない日を自分で記念日にしていいという発想そのものです。
歌集『サラダ記念日』は280万部のベストセラー
初版はわずか8,000部でしたが、口コミで人気に火がつき、最終的に280万部を超える大ヒットとなりました。1987年のベストセラーランキングでは第1位を記録しています。
翌1988年には第32回現代歌人協会賞を受賞。難しいものと思われていた短歌が一気に若い世代へ広がり、当時は「サラダ現象」とも呼ばれる短歌ブームが起こりました。
その後も版を重ね、河出書房新社は刊行35周年にあたる2022年の発表で累計285万部としています。初版8,000部と比べると350倍を超える部数で、歌集としては異例の広がり方でした。
なぜ7月6日なの?作者が明かした日付の理由
実はこの日付、実際の出来事をそのまま記録したものではありません。作者の俵万智さん自身が、後にその舞台裏を明かしています。
その経緯は、本人のSNSでの説明や雑誌のインタビューを通じて紹介されてきました。読者や研究者が推測した話ではなく、作った本人が種明かしをしている点が、背景までこれほど知られている理由です。
短歌に書かれた内容を実話そのものと受け取っていると、この話は意外に聞こえます。どこまでが体験で、どこからが選び直した部分なのかを押さえておくと、人に話すときも正確に伝えられます。


「7月」は野菜の季節と音の響きから
月を7月にしたのは、野菜が生き生きとする初夏の空気と、「サラダ」という言葉の響きが重なると考えたからだと語られています。たしかに真冬の設定では、あの軽やかさは出ないでしょう。
響きについては、「サラダ」と「しちがつ」に共通するサ行の音が重なる点が説明として紹介されています。声に出して読むと、七月六日からサラダ記念日まで同じ調子の音が続いていくのが分かります。
自分で短歌を作るときも、出来事があった月をそのまま書かなければならない決まりはありません。伝えたい印象に近い季節を選んでよいという点で、この一首は分かりやすい手本になります。
七夕ではなく、あえて「何でもない6日」に
日にちについては、当初7日、つまり七夕も候補にあがっていたそうです。しかし七夕ではイベント感が出すぎてしまいます。
何でもない普通の日だからこそ記念日になる。その狙いから、隣の6日が選ばれました。日付の選び方そのものに、この歌のテーマが込められているわけです。
七夕はもともと行事としての意味を持つ日なので、そこに置けば歌全体が七夕の作品として読まれてしまいます。予定のない6日だからこそ、ほめ言葉ひとつでその日の意味が決まる形になりました。
行事のある日の隣を選んだことで、暦が用意した特別と、自分で決めた特別の差もはっきりします。ずらしたのは一日ですが、歌の意味は大きく変わっています。
実際のメニューはサラダではなかった
もうひとつ驚かれるのが、実際にほめられた料理はサラダではなかったという点です。鶏の唐揚げをカレー味にアレンジしたところ、当時の交際相手から好評だったことがきっかけだったと明かされています。
唐揚げでは少し重たい印象になるため、軽やかなサラダに置き換えられました。
ここが面白い:実話をそのまま書き写した歌ではなく、料理も日付も作者が選び取ったものです。「本当のこと」より「伝わること」を優先した結果、多くの人の記憶に残る一首が生まれました。
サラダ記念日は何をする日?楽しみ方3つ
決まった過ごし方はありません。だからこそ自由に楽しめるのがこの記念日の魅力です。手軽にできる3つのアイデアを紹介します。
大がかりなイベントが開かれる日ではないので、費用も準備の手間もかかりません。7月6日が平日にあたる年は当日にこだわらず、前後の休みへ回しても差し支えありません。
サラダを食べること自体が目的ではないため、外食でも買ってきた惣菜でもかまいません。家族で食卓を囲む日にしてもよく、ひとりで手帳に一行書くだけでも十分に成り立ちます。


いつもより少し手をかけたサラダを作る
いちばん素直な楽しみ方です。夏野菜が出そろう時期なので、トマトやきゅうり、とうもろこしなど旬の食材が手に入りやすくなっています。
ドレッシングを手作りにする、盛りつけをいつもより高くしてみる。そんな小さな工夫だけで、食卓の空気は変わります。
葉物は洗ったあと氷水に数分さらし、水気をよく切ってから盛ると食感が変わります。ドレッシングは油と酢をおおよそ2対1、塩とこしょうを少々混ぜれば作れるので、専用の調味料をそろえる必要はありません。
色が寂しいときは、ゆで卵やとうもろこしを一品足すだけで全体が締まります。冷やしすぎたトマトは甘みを感じにくいので、切る少し前に冷蔵庫から出しておくと味が立ちます。
家族や友だちと「わが家の記念日」を決める
歌のテーマにいちばん近い過ごし方がこれです。初めて2人で出かけた日、子どもが自転車に乗れた日など、カレンダーに載っていない日を家族で持ち寄ってみましょう。
選ぶときのこつは、毎年思い出せる日にしておくことです。写真が残っている日や、家族の誰かが言った一言をそのまま名前にすると、翌年になっても由来を説明できます。
一度にいくつも決めると一つひとつが薄くなるので、まずは一年に一つで足ります。決まったらカレンダーアプリの繰り返し予定に入れておくと、当日に気づかず過ぎてしまう失敗を防げます。



うちは「はじめて自分でお弁当を作った日」を記念日にしました
短歌を一首つくってみる
五・七・五・七・七の31音に、その日の出来事を収めるだけです。難しく考えず、次の手順で作ってみてください。
一日を全部詰め込まず、印象に残った瞬間をひとつに絞ります。
「この味がいいね」のように、話し言葉を入れると一気に生き生きします。
指で数えるより耳で確かめるほうが確実です。1音くらいの増減は気にしなくて構いません。
音数がぴったり合わなくても気にしなくて大丈夫です。前述のとおり由来の一首も三十二音で、定型より一音多いまま親しまれています。できあがったら日付を添えて書き残しておくと、翌年に読み返したときの楽しみが増えます。
7月6日はほかにもある記念日
7月6日にはサラダ記念日以外にもいくつかの記念日が重なっています。話のタネにちょうどいいものを紹介します。
記念日は先に名乗った側が独占するものではないため、同じ日付にいくつも並ぶのが普通です。7月6日も、食べもの・楽器・職業と分野がばらばらで、相手に合わせて話題を選べます。
雑談で使うなら、由来を一行で言えるものを一つ覚えておけば十分です。制定した団体がはっきりしている記念日なら、その団体の公式サイトで制定年や趣旨までたどれます。
ピアノの日
1823年7月6日、長崎の出島にやってきたドイツ人医師シーボルトが、日本に初めてピアノを持ち込んだとされる日にちなんでいます。
シーボルトは出島のオランダ商館医として着任し、鳴滝塾で西洋医学を教えた人物として教科書にも登場します。医学や植物の研究で知られる人ですが、記念日の由来としてはピアノの伝来と結びついています。
当時の日本では西洋の楽器そのものが珍しく、ピアノが学校や家庭に広まるのは明治以降のことです。ピアノを習っている子どもがいる家庭なら、練習前の雑談にちょうどよい話題になります。
公認会計士の日
1948年7月6日に公認会計士法が制定されたことにちなみ、1991年に日本公認会計士協会が定めました。
公認会計士は、企業が公表する決算書が正しく作られているかを第三者の立場で確かめる仕事です。会社の内部ではなく外から目を通す役割なので、投資や取引の判断材料の信頼性を支えています。
記念日は制度の役割を広く知ってもらうために設けられたもので、この時期には協会や各地の会が講演会などの取り組みを行うことがあります。進路を考えている高校生や大学生にとっては、資格の中身を調べるきっかけになる日です。
7月6日の記念日まとめ
三つを並べると、日付のたどり方がそれぞれ違うことが見えてきます。作品の中の一行から広まったもの、歴史上の出来事の日付をとったもの、法律が世に出た日を選んだものが同居しています。
| 記念日 | 由来 |
|---|---|
| サラダ記念日 | 俵万智さんの歌集『サラダ記念日』の表題歌 |
| ピアノの日 | 1823年、シーボルトが日本に初めてピアノを持ち込んだ日 |
| 公認会計士の日 | 1948年、公認会計士法が制定された日 |
このほか「ナンの日」「メロンの日」など、食べものにまつわる記念日も重なっています。同じ食べものの記念日では、5月29日のこんにゃくの日も語呂合わせが分かりやすくておすすめです。


7月生まれの方へのプレゼント選びや、季節の話題づくりにはこちらもどうぞ。


7月6日生まれの人へ贈り物を選ぶなら、花のほかに誕生石という切り口もあります。7月の石はルビーとスフェーンで、それぞれ石言葉が違うため、相手の雰囲気で選び分けられます。


7月6日に限らず、1年のどの日にも記念日があります。日付ごとのネタをクイズの形で探すなら、こちらもあわせてどうぞ。


サラダ記念日のよくある質問
- サラダ記念日は祝日ですか?
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国民の祝日ではありません。学校や会社は通常どおりで、休みにはならない記念日です。
- 誰が決めた記念日ですか?
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行政や企業が制定したものではなく、俵万智さんの歌集『サラダ記念日』の表題歌が広まったことで定着しました。
- サラダ記念日は毎年同じ日ですか?
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毎年7月6日で固定です。曜日によって日付が動くことはありません。
- 学校の教科書にも載っていますか?
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表題歌は国語の教科書や問題集で取り上げられてきた作品です。授業で習った記憶がある方も多いでしょう。
- 授業や宿題でこの短歌を取り上げるとき、出典はどう書けばよいですか?
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作者名・歌集名・出版社をひとまとまりで添えるのが基本の形です。「俵万智『サラダ記念日』(河出書房新社)より」のように書き、歌の言葉は句読点や仮名づかいまで変えずに写します。プリントや問題集から書き写す場合も、元が歌集のどの作品かを確かめておくと安心です。
まとめ|記念日は自分で決めていい
サラダ記念日は毎年7月6日。俵万智さんの一首から生まれ、いまではカレンダーにも載る記念日になりました。
作られた背景をたどると、料理も日付も作者が意図して選んだものだと分かります。それでもこの歌が長く愛されているのは、「何でもない日を特別にできる」という感覚が誰にでも当てはまるからでしょう。
- 日付は毎年7月6日で固定。曜日では動かない
- 由来は1987年刊行の歌集『サラダ記念日』の表題歌
- 7月も6日も、印象を優先して作者が選び直した設定
- 国民の祝日ではなく、過ごし方に決まりもない
7月6日はサラダを一皿増やしつつ、自分だけの記念日をひとつ決めてみてはいかがでしょう。カレンダーに書き込んだ瞬間から、その日は特別な一日になります。
決めた記念日は、その日の出来事を一行だけ書き添えておくと翌年に読み返せます。書き留める型を探しているなら、自学ノートのネタと書き方を学年別に整理した記事が下敷きになります。











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