忍冬(スイカズラ)の花言葉|「愛の絆」の意味と由来・怖い噂

suikazura-hanakotoba

初夏の垣根や林のふちで、白と黄色の花が入りまじって甘く香っていたら、それは忍冬(スイカズラ)かもしれません。スイカズラの花言葉は「愛の絆」「献身的な愛」「友愛」です。つるがほかの植物に巻きつき、しっかり離れずに伸びていく姿から生まれました。

この記事では、花言葉の意味と由来、英語の花言葉、「怖い意味があるのでは」という噂の真相を先にまとめます。あわせて「忍冬」「吸い葛」「金銀花」という3つの名前の由来や、飛鳥時代から続く忍冬唐草の文様、贈るときのポイントまで紹介します。

目次

忍冬(スイカズラ)の花言葉は「愛の絆」「献身的な愛」

忍冬(スイカズラ)の花言葉は、「愛の絆」「献身的な愛」「友愛」の3つが代表的です。どれも人と人とのつながりを表す、温かい意味の言葉がそろっています。

花言葉由来のイメージ向いている相手
愛の絆つるが絡み合い、離れずに伸びる姿パートナー・夫婦
献身的な愛支えに寄り添いながら育つ性質家族・大切な人
友愛周りの植物とつながって広がる姿友人・仲間

3つの言葉は、気持ちの向きで分けて読むことができます。「愛の絆」と「友愛」は二人のあいだにあるつながりを指し、「献身的な愛」は一方から相手へ向かう思いを表す言葉です。

「愛の絆」「友愛」はつるが絡み合う姿から

スイカズラはつる性の植物で、茎を周りの木やフェンスに巻きつけながら伸びていきます。一度巻きついたつるはなかなかほどけず、2本の茎がねじれ合うように育つこともあります。

この「寄り添って離れない」姿が、恋人や夫婦の結びつきに重ねられ、「愛の絆」という花言葉になりました。相手を恋愛に限らず、仲間どうしのつながりとしてとらえたのが「友愛」です。

「献身的な愛」も同じ性質から読み取れます。支えとなる木に身をあずけつつ、花の季節には甘い香りで周りを満たす姿は、相手に尽くす愛情のたとえにぴったりです。スイカズラの花言葉は、どれもつる植物としての生き方がもとになっているといえます。

西洋(英語)の花言葉は「devotion」「bonds of love」

英語では、スイカズラの仲間をまとめて「honeysuckle(ハニーサックル)」と呼びます。英語の花言葉には「devotion(献身)」「bonds of love(愛の絆)」があり、日本の花言葉とほぼ同じ意味です。

19世紀のイギリスでは、花に気持ちを託して贈る「花言葉」の文化が流行しました。当時の花言葉の本では、ハニーサックルに「generous and devoted affection(寛大で献身的な愛情)」という意味があてられています。つるが絡み合う姿から愛の結びつきを読み取る見方は、東西で共通しているのです。

日本に自生するスイカズラは、英語では「Japanese honeysuckle」と呼ばれます。「honeysuckle」だけだと、ヨーロッパ原産の種類などを含むスイカズラ属全体を指すことが多い言葉です。

怖い花言葉はある?「絡みつく=束縛」説の真相

スイカズラに、怖い意味やネガティブな花言葉はありません。日本でも西洋でも、伝えられているのは愛情や友情を表す前向きな言葉です。

それでも「怖い」と検索されるのは、「絡みついて離れない」という由来が、束縛や執着を連想させるからでしょう。たしかに、つる植物の性質は見方によっては重く感じられます。

ただし花言葉として定着しているのは、あくまで「絆」「献身」という良い面の解釈です。同じつる植物のアイビーも「永遠の愛」と「死んでも離れない」という2つの読み方をされる花ですが、スイカズラには後者のような言葉はついていません。安心して贈り物に使える花です。

「忍冬」「スイカズラ」「金銀花」…名前の由来

スイカズラには、漢字の「忍冬」、和名の「吸い葛」、別名の「金銀花」、英名の「ハニーサックル」と、いくつもの呼び名があります。どの名前も花や葉の特徴をよくとらえていて、由来を知ると花言葉への理解も深まります。

これらとは別に、世界共通で使われる学名は「Lonicera japonica(ロニセラ・ヤポニカ)」です。属名のロニセラは16世紀ドイツの学者アダム・ロニツァー(ラテン語名ロニケルス)にちなみ、種小名のjaponicaはラテン語で「日本の」を意味します。

忍冬(にんどう):冬を耐え忍ぶ葉

「忍冬」は「にんどう」と読み、スイカズラの漢名です。暖かい地域では冬になっても葉を落とさず、寒さの中で緑を保ちます。この「冬を耐え忍ぶ」姿から、忍冬の字があてられました。

冬の葉は、夏のころより小さく縮こまり、赤みを帯びた色になることもあります。それでも枝にしがみつくように残る様子を見ると、名前のとおりの粘り強さを感じます。なお「忍冬」と書いて「すいかずら」と読ませることもあり、読み方は2通りあると覚えておくと便利です。

吸い葛(すいかずら):花の蜜を吸った遊び

和名の「スイカズラ」は、漢字で「吸い葛」「吸葛」と書きます。「葛(かずら)」はつる植物をまとめて呼ぶ古い言葉です。

スイカズラの花は細長い筒の形をしていて、根もとに甘い蜜をためています。昔は子どもたちが花を摘み、筒の端から蜜を吸って遊んだことから「吸い葛」の名がついたとされています。英名の「honeysuckle」も「honey(蜜)」と「suckle(吸う)」を組み合わせた言葉で、洋の東西で同じところに目をつけているのが面白いところです。

金銀花(きんぎんか):白から黄色に変わる花

スイカズラの花は、咲きはじめは白く、日がたつにつれて黄色へと変わっていきます。そのため一本のつるに白い花と黄色い花が並んで咲き、まるで銀と金が混ざっているように見えます。これが「金銀花」という別名の由来です。

「忍冬」や「金銀花」は、古くから生薬の名前としても使われてきました。ただしこの記事では花言葉と名前の由来の紹介にとどめ、薬としての使い方には触れません。野外の植物を口にしたり、自己判断で利用したりするのは控えましょう。

英名ハニーサックルとスイカズラの関係

園芸店では、スイカズラの仲間が「ハニーサックル」の名前で売られていることがよくあります。これはスイカズラ科スイカズラ属(ロニセラ属)の植物をまとめた呼び名です。日本のスイカズラも、その中の1種にあたります。

ラベルに「ハニーサックル」とあれば、スイカズラそのものでなくても、同じ属の花だと考えてかまいません。花言葉も同じものが紹介されるのが一般的です。

苗のラベルに学名が書かれていれば、「Lonicera japonica」かどうかで日本のスイカズラかを確かめられます。後半の種小名が別の語なら、同じロニセラ属のほかの種類です。

スイカズラはどんな花?開花時期と香りの特徴

スイカズラは、日本の各地の山野や道ばたに自生するつる性の植物です。見ごろは初夏で、甘い香りと、白と黄色が入りまじる花色が目印になります。

自生地は北海道南部から本州・四国・九州までと広く、朝鮮半島や中国などにも分布します。草のように見えますが、茎は年数がたつと硬くなる「つる性の木」で、細長い楕円形の葉が茎の両側に向かい合ってつきます。全体に短い毛が生えていて、葉のふちが羽のように切れ込んだものが混じることもあります。

フェンスに絡んだスイカズラのつるに、白い花と黄色い花が入りまじって咲いている初夏の写真

5〜7月に咲き、夕方になると香りが強まる

スイカズラの花期はおおむね5月から7月です。葉のつけ根から2つずつ花がならんで咲き、筒の先が上下に大きく割れた、独特の形をしています。上の花びらは4つに浅く裂け、下の花びらは細く1枚で垂れ下がります。

香りはジャスミンにたとえられることもある甘さで、夕方から夜にかけていっそう強くなります。夜に活動するガの仲間が、この香りに誘われて蜜を吸いにやってきます。散歩の途中でふと甘い香りがして、見まわすとスイカズラが咲いていた、ということも珍しくありません。

花が終わると、秋には黒く丸い実が2つずつ並んで熟します。つやのある実は目を引きますが、食用にはならないので、子どもが口に入れないよう気をつけてください。

園芸で見かけるハニーサックルの仲間

庭やベランダで楽しむ場合は、野生のスイカズラより、花色や花つきの良い園芸品種が選ばれることが多いです。代表的なものを表にまとめました。

名前花の特徴よく使われる場面
スイカズラ(日本の野生種)白から黄色に変わる花・強い甘い香り垣根・野山
ツキヌキニンドウ赤やオレンジの細長いラッパ形の花フェンス・アーチ
ロニセラ・ヘックロッティ外側がピンク、内側が黄色の花トレリス・鉢植え

ツキヌキニンドウは、茎が葉の真ん中を突き抜けているように見えることからこの名がつきました。ロニセラ属には、生け垣やグラウンドカバーに使われる葉ものの種類もあります。どれも同じ仲間なので、贈り物として選ぶときは花色の好みで決めてかまいません。

忍冬唐草と『夏の夜の夢』|文様と物語に残るスイカズラ

唐草文様は、図案に取り入れた植物の種類によって、葡萄唐草・牡丹唐草・菊唐草のように呼び分けられます。忍冬唐草もこの呼び方にならった名前で、頭につく植物名が、どの草花の形に見立てた模様かを表しています。

スイカズラは、日本では着物や寺院を飾る「忍冬唐草(にんどうからくさ)」の文様として、西洋では恋人たちの姿を映す花として、文化の中に長く残ってきました。花言葉の「絆」という意味を、別の角度から感じられる話を2つ紹介します。

飛鳥時代に伝わった忍冬唐草文様

忍冬唐草は、つる草がうねりながら続いていく唐草模様の一種です。古墳時代の後期から飛鳥時代にかけて、仏教美術とともに大陸から日本に伝わりました。奈良・法隆寺の玉虫厨子や、法隆寺献納宝物の金銅灌頂幡の縁飾りに見られる文様がよく知られています。

もとをたどると、この文様は起源に諸説あるパルメット(扇形の葉の模様)が、ギリシアや西アジアを経て中国、朝鮮半島へと伝わり、形を変えたものです。扇のように広がる葉の形がスイカズラの葉に似ていることから、日本では「忍冬」の名で呼ばれるようになりました。

途切れずに続くつるの模様は、長く続く繁栄や、途絶えないつながりを表す吉祥文様として、着物や帯にも使われています。スイカズラの花言葉「愛の絆」と、どこか通じるところがあるように感じられます。

西洋では恋人たちを結ぶ花

シェイクスピアの喜劇『夏の夜の夢』第4幕には、ハニーサックルが登場する場面があります。妖精の女王ティターニアが、惚れ薬のせいで恋に落ちた相手を腕に抱き、「ウッドバインが甘いハニーサックルにそっと絡むように」と語る台詞です。

続けて、アイビーがニレの木に巻きつく様子も引き合いに出され、つる植物が寄り添う姿が恋人たちの抱擁にたとえられています。ここに登場するのはヨーロッパのハニーサックルで、日本のスイカズラとは種類が異なりますが、同じ仲間です。「絡み合う=愛の結びつき」というイメージが、16世紀末のイギリスですでに共有されていたことがわかります。

日本の忍冬唐草も、西洋の『夏の夜の夢』も、スイカズラの「途切れずに続き、寄り添う」姿に心をひかれた点は同じです。花言葉の「愛の絆」は、そうした長い歴史の延長にあります。

スイカズラは何月何日の誕生花?贈り方のポイント

スイカズラは、花の見ごろにあたる6月の誕生花として紹介されることが多い花です。花言葉が前向きなので贈り物にも向きますが、切り花より苗や鉢で出回ることが多い点は知っておきましょう。

苗や鉢植えで贈ったスイカズラは、根づけば毎年初夏に花を咲かせます。寒さに強く、日なたから半日陰まで育ちますが、花つきがよくなるのは日当たりのよい場所です。切り花のように数日で終わらず、受け取った人の手もとで年を重ねていく点が、鉢で贈る花の楽しみです。

6月の誕生花(資料によって日付が違う)

当ブログの6月の誕生花一覧では、スイカズラを6月22日の誕生花としています。ただし誕生花には公的な基準がなく、6月の別の日付にスイカズラを割り当てている一覧もあります。

6月22日は、二十四節気の夏至(毎年6月21日ごろ)と重なる時期で、一年でもっとも昼が長いころにあたります。誕生日のカードに季節の言葉を添えるなら、「夏至のころに咲く花」という紹介の仕方もできます。

どの一覧でも6月に置かれている点は共通していて、これはスイカズラの花期が初夏にあたるためです。6月生まれの方に贈る花として、同じ月の誕生花の中から選ぶ楽しみ方もできます。

贈るシーンと組み合わせたい花

「愛の絆」「献身的な愛」という花言葉から、結婚祝いや結婚記念日、パートナーの誕生日によく合います。「友愛」の意味もあるので、長く付き合いのある友人への贈り物にも使えます。

  • 結婚祝い・結婚記念日:「愛の絆」を込めて、フェンスやアーチ向けの苗を
  • パートナーの誕生日(6月生まれ):誕生花として鉢植えを
  • 友人の新居祝い:「友愛」を込めて、庭やベランダで育てられる鉢を
  • 家族への感謝:「献身的な愛」を、日ごろ支えてくれる人へ

ほかの花と組み合わせるなら、同じつる植物で「永遠の愛」の花言葉を持つアイビーや、初夏に咲くバラ・アジサイなど、季節のそろった花が合わせやすいでしょう。愛情を伝える花をさらに探したい方は、永遠の愛をテーマにした花言葉もあわせて参考にしてください。

贈るときの注意(切り花の流通・つるの伸び方)

スイカズラは、バラやカーネーションのように切り花として一年中出回る花ではありません。手に入れやすいのは、春から初夏に園芸店やホームセンターに並ぶ「ハニーサックル」の苗や鉢植えです。確実に用意したい場合は、早めに取り扱いの有無を確かめておくと安心です。

つるがよく伸びる植物なので、贈る相手に庭やフェンス、ベランダのスペースがあるかどうかも考えておきたいところです。広い場所がない相手には、小ぶりの鉢に支柱をつけたものを選ぶと扱いやすくなります。

花の時期にはっきりとした香りが出るので、香りが苦手な方や、寝室など閉めきった部屋に飾る場合は、ひと言添えておくと親切です。

夏に咲くほかの花の花言葉もあわせて知りたい方は、季節ごとにまとめた一覧も参考になります。

スイカズラの花言葉についてよくある質問

「忍冬」は何と読みますか?

「にんどう」と読むのが一般的で、スイカズラの漢名にあたります。植物名として「すいかずら」と読ませる場合もあり、どちらも同じ花を指しています。

スイカズラとハニーサックルは同じ花ですか?

ハニーサックルは、スイカズラ属(ロニセラ属)の植物をまとめて呼ぶ英語名です。日本のスイカズラはその中の1種で、英語では「Japanese honeysuckle」と呼ばれます。園芸店のハニーサックルは別の種類のこともありますが、花言葉は同じものが紹介されています。

忍冬唐草はスイカズラの花を描いた文様ですか?

スイカズラを写生した文様ではありません。古代の地中海・西アジアで発展したパルメット(扇形の葉の模様)が大陸を経て伝わったもので、その葉の形がスイカズラの葉に似ていることから「忍冬」の名で呼ばれるようになりました。

恋人以外に贈っても大丈夫ですか?

大丈夫です。スイカズラには「友愛」という花言葉もあり、友人や家族への贈り物にも向いています。恋愛の意味を強く出したくない場合は、「友愛」の花言葉を添えて渡すと気持ちが伝わりやすくなります。

まとめ

忍冬(スイカズラ)の花言葉は「愛の絆」「献身的な愛」「友愛」です。つるが絡み合い、離れずに伸びていく姿から生まれた言葉で、英語でも「devotion」「bonds of love」と、ほぼ同じ意味で伝わっています。

「忍冬」は冬を耐え忍ぶ葉、「吸い葛」は蜜を吸った遊び、「金銀花」は白から黄色へ変わる花色に由来します。飛鳥時代に伝わった忍冬唐草や、シェイクスピアの『夏の夜の夢』にも、寄り添うつる植物の姿が描かれてきました。

「絡みつく」という由来から怖い意味を心配する声もありますが、スイカズラの花言葉はどれも前向きなものです。6月の誕生花として、結婚祝いや大切な人への贈り物に、苗や鉢植えで選んでみてはいかがでしょうか。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

コメントは日本語で入力してください。(スパム対策)

CAPTCHA

目次