こづかい帳は、「いつ・何に・いくら使い、いくら残ったか」を書きとめるお金の記録帳です。書く項目は日付・内容・入ったお金・使ったお金・残りの5つだけで、お金が動いたときに1行ずつ書けば十分です。
この記事では、記入例つきの書き方、学年別の始め方、続けるコツと親の関わり方、こづかい帳の選び方と売っている場所までをまとめました。お子さんと一緒にこづかい帳を始めるときの参考にしてください。
こづかい帳の書き方|基本の5項目と記入例
こづかい帳は、お金が「入った」「出た」ときに1行ずつ書き、最後に残りの金額を出すというシンプルな仕組みです。最初に5つの項目を覚えてしまえば、市販品でも手作りのノートでも同じように書けます。
お金が1回動くごとに、1行を使います。同じ日に2回買い物をしたら2行に分け、1回の買い物で何品か買ったときは、支払った合計を1行に書いて内容の欄に品名を並べます。使わない欄には「-」を入れます。空欄のままだと、お金の出入りがなかったのか書き忘れたのか、あとから見分けがつきません。
書く項目は「日付・内容・入ったお金・使ったお金・残り」
こづかい帳の1行には、次の5つを書きます。
- 日付:お金が動いた日。月と日だけでよい
- 内容:もらった理由や買ったもの(「10月のおこづかい」「えんぴつ」など)
- 入ったお金:おこづかい・お手伝いのごほうび・お年玉など、もらったお金
- 使ったお金:買い物などで出ていったお金
- 残り:前の行の残り+入ったお金-使ったお金
「残り」は、手元の財布の中身と同じになるはずの金額です。毎回この欄を書くことで計算の練習にもなり、お金がどこへ行ったのかを自分で確かめられます。
お年玉のように一度に大きなお金が入ったときは、全部をこづかい帳に入れるのか、一部を貯金に回すのかを先に決めておくと記録がぶれません。お年玉の分け方や管理のルールは、次の記事でくわしく紹介しています。

1か月分の記入例(見本)
月のはじめに500円のおこづかいをもらう小学生を例にすると、1か月のこづかい帳は次のようになります。
| 日付 | 内容 | 入ったお金 | 使ったお金 | 残り |
|---|---|---|---|---|
| 10/1 | 前の月からのくりこし | 120円 | - | 120円 |
| 10/1 | 10月のおこづかい | 500円 | - | 620円 |
| 10/5 | えんぴつ2本 | - | 110円 | 510円 |
| 10/12 | おかし | - | 150円 | 360円 |
| 10/19 | お手伝い(おふろそうじ) | 100円 | - | 460円 |
| 10/26 | ガチャガチャ | - | 200円 | 260円 |
| 10/31 | 月末の合計 | 720円 | 460円 | 260円 |
月の最初の行に、前の月の残りを「くりこし」として書いておくと、月ごとに区切りができて見やすくなります。月末には入ったお金と使ったお金の合計を出し、最後の「残り」が財布の中身と合っているかを確かめましょう。
内容の欄は、低学年なら「おかし」くらいの大まかな書き方で構いません。慣れてきたら「〇〇で買ったグミ」のように、どこで何を買ったかまで書くと、あとで見返したときに使い方のくせが見えてきます。

残りのお金が合わないときの直し方
書き忘れや計算ちがいで、こづかい帳の「残り」と財布の中身が合わないことはよくあります。合わないときは、次の順で確かめていきます。
- 財布の中身をもう一度数え直す
- 上の行から順に、足し算・引き算をやり直す
- レシートや思い出せる買い物から、書き忘れがないか探す
それでも原因が分からないときは、差額を「使いみち不明」として1行書き、残りを財布の中身に合わせて終わりにします。ここで子どもを責めると、こづかい帳そのものがいやになってしまいます。「次はレシートをもらっておこうね」と、仕組みで防ぐ話につなげるのがおすすめです。
こづかい帳はいつから?学年別の始め方
こづかい帳を始める時期に決まりはありませんが、決まった額のおこづかいをもらい始めたときが、いちばん始めやすいタイミングです。数字の読み書きや計算の力に合わせて、書く内容を少しずつ増やしていくと無理なく続けられます。
表の「残り」を出す計算は、残りが100円をこえると3けたの足し算・引き算になります。3けたどうしの計算は、小学校の算数ではおもに3年生で習う内容です。算数の教科書に3けたどうしの筆算が出てきたかどうかも、残りの計算を子どもに任せる時期を決める目安になります。
低学年:シールや○で「使った」を記録する
1〜2年生のうちは、金額の計算よりも「お金を使ったら書く」という習慣づくりを優先します。カレンダーやノートに、買い物をした日だけシールを貼ったり、買ったものの絵を描いたりするだけでも立派な記録です。
硬貨を実際に並べて「100円玉が3つあるね」と数えながら書くと、お金の大きさが目で見て分かります。金額の欄は、親が横で一緒に書いてあげても構いません。「書くと楽しい」と感じられることが、この時期のいちばんの目標です。
中学年:表に金額を書いて残りを計算する
3〜4年生になると、5つの項目の表を自分で埋められる子が増えてきます。この時期から、上の記入例のような表の形で「残り」まで自分で計算する書き方に切り替えるとよいでしょう。
最初のうちは、月末だけ親が計算を確かめる形にすると、まちがいを直しながら自信をつけていけます。電卓を使うかどうかは家庭で決めて大丈夫です。計算の正確さよりも、書くことを続けるのが一番の目的だからです。
高学年〜中学生:予算を立てて月末に振り返る
5〜6年生以降は、「記録する」から一歩進んで、使う前に計画を立てる練習に入れます。月のはじめに「今月はこれを買いたい」「〇円は残しておく」と予算を書き、月末に実際の記録と比べてみる方法です。
中学生になると、友だちと出かけるときのお金や文房具代などを、おこづかいの中でやりくりする家庭も増えてきます。入るお金と出るお金の種類が増えるほど、こづかい帳の記録が役に立ちます。高校生のおこづかいの相場や決め方は、次の記事でまとめています。

こづかい帳を続けるコツと親の関わり方
夏休みや年末年始のように、ふだんの過ごし方が変わる時期は、こづかい帳が途切れがちです。お祭りや旅行、親戚の集まりでお金を使う回数が増えるうえに、お年玉のようにまとまったお金が一度に入るのもこの時期で、記入する行がふだんの月よりずっと多くなるからです。
こづかい帳は、始めることより続けることのほうがむずかしいものです。続けるための工夫は、「書くタイミングを決める」「親は口を出しすぎない」「振り返りを楽しくする」の3つにまとめられます。
書く日とレシートの置き場所を決める
「買い物をしたらその日のうちに書く」のが理想ですが、毎日だと負担に感じる子もいます。その場合は「日曜日の夜にまとめて書く」のように、書く日を決めてしまうのがおすすめです。
まとめて書くときに頼りになるのがレシートです。レシート専用の封筒や小さな箱を用意して、帰ったらそこに入れる流れを作っておくと書き忘れが減ります。レシートが出ない買い物は、メモ用紙に金額だけ書いて同じ場所に入れておきましょう。
親は「チェック」ではなく「振り返りの会話」をする
親がこづかい帳を見るときに「こんなものに使ったの?」と使い道を責めてしまうと、子どもは本当のことを書かなくなります。おこづかいは、子どもが自分で使い方を選び、小さな失敗も経験するためのお金です。記録そのものは否定しないようにしましょう。
代わりに、「これは買ってよかった?」「次はどうしたい?」と、子ども自身が振り返れる問いかけをしてみてください。市販のこづかい帳には、おうちの人がひとこと書ける欄があるものもあります。短いコメントを添えるだけでも、子どもの励みになります。
こづかい帳は「正しく使えたか」を採点する道具ではなく、自分のお金の使い方に気づくための道具です。

月末に「よかった使い方」を1つ書く
月末の振り返りでは、残りの金額を確かめるだけでなく、「今月いちばんよかった使い方」を1つ書いてみましょう。反省点ばかり書かせるより、うまくいったことを自分の言葉で残すほうが、次の月も書こうという気持ちにつながります。
「欲しかったものを買うために2か月ためた」「友だちの誕生日プレゼントを自分のお金で買えた」など、小さなことで構いません。数か月分がたまると、自分のお金の使い方の変化を見返す楽しみも生まれます。振り返りを文章にまとめる練習は、家庭学習の自学ノートのネタにもなります。

こづかい帳の選び方と売っている場所
こづかい帳には、市販品・無料のテンプレート・手作りのノート・アプリといった選び方があります。子どもの学年と、続けやすさで選ぶのがポイントです。それぞれの特徴を表にまとめました。
| 種類 | 向いている学年 | よいところ | 気をつけたいこと |
|---|---|---|---|
| 市販のこづかい帳 | 小学生全般 | 項目や振り返りの欄が最初から整っている | 1年ごとに買い足す必要がある |
| 無料のテンプレート | 低〜中学年 | 印刷すれば今日から始められる | 印刷とファイルにとじる手間がかかる |
| 手作りのノート | 中学年以上 | 好きな形にでき、愛着がわきやすい | 線を引くのが面倒だと続きにくい |
| アプリ | 中学生以上 | 計算が自動で、持ち歩きやすい | 手で計算する練習にはならない |
市販のこづかい帳(書店・文具店・100均)
子ども向けのこづかい帳は、書店や文具店の手帳・家計簿の売り場で見つかることがあります。たとえば婦人之友社の「小学生のこづかいちょう」は、毎年秋ごろに翌年版が出る定番の一冊です。店頭になくても、書店での取り寄せやネット書店で購入できます。
100円ショップでも、家計簿やこづかい帳タイプのノートが置かれていることがあります。ただし、子ども向けのデザインがあるかどうかや取扱いの有無は、店舗や時期によって違います。見つからないときは、文房具・ノートの売り場で店員さんに聞いてみると早いでしょう。
無料でダウンロードできるテンプレート
すぐに始めたい場合は、無料で印刷できるテンプレートを使う方法もあります。J-FLEC(金融経済教育推進機構)のウェブサイトでは、おこづかいの使い方を親子で考えるための教材「おこづかいから学ぶお金の話」(小学生の学年別)などがPDFで公開されています。
印刷したテンプレートは、穴をあけてファイルにとじておくと、月ごとに見返しやすくなります。項目が多すぎる表は低学年には負担になるので、5つの項目がそろったシンプルなものを選びましょう。
ノートで手作りする・アプリを使う
手持ちのノートに定規で線を引けば、それだけでこづかい帳になります。1ページを1か月分にして、左から「日付・内容・入ったお金・使ったお金・残り」の5列を作るだけです。自分で表を作ること自体が楽しく、子どもが愛着を持ちやすいのも手作りのよさです。
スマートフォンを持っている中学生・高校生なら、おこづかい帳のアプリを使う方法もあります。計算を自動でしてくれる手軽さがある一方で、手で書いて計算する練習にはなりません。小学生のうちは紙のこづかい帳から始めて、慣れてからアプリに移る流れが自然です。
こづかい帳についてよくある質問
- こづかい帳は何年生から始めるのがよいですか?
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決まった学年はありません。決まった額のおこづかいを渡し始めたときが始めどきです。低学年はシールや絵で記録するところから始め、中学年以降は表に金額を書く形に進めると続けやすくなります。
- お年玉もこづかい帳に書いたほうがいいですか?
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子どもが自分で管理する分は書いておくと、お金の流れ全体が見えるようになります。親が預かる分は、別のページに「預けたお金」として記録しておくと、あとで金額を確かめやすくなります。
- 書き忘れが続いて、こづかい帳をやめてしまいました。どうすればいいですか?
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空白の期間を、さかのぼって埋める必要はありません。今の財布の中身を「くりこし」として1行目に書き、そこから再開しましょう。書く日を週1回に減らすなど、続けやすい形に見直すのも一つの方法です。
- こづかい帳と家計簿は何が違いますか?
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書き方の基本は同じですが、こづかい帳は1人分のおこづかいの出入りに絞った簡単な記録です。食費や光熱費のような細かい費目分けは必要なく、項目が少ないぶん子どもでも続けやすくなっています。
まとめ
こづかい帳は、日付・内容・入ったお金・使ったお金・残りの5つを1行ずつ書くだけの、シンプルなお金の記録です。低学年はシールや絵で「使った」を残すところから、中学年は表で残りを計算し、高学年以降は予算と振り返りへと、学年に合わせて少しずつ進めていきましょう。
続けるコツは、書く日とレシートの置き場所を決めること、そして親が使い道を責めずに振り返りの会話をすることです。市販品・無料のテンプレート・手作りのノートから、子どもが楽しく書けるものを選んでみてください。
まずは今月のおこづかいから、5つの項目で1行目を書いてみましょう。完ぺきに書けなくても、続けることがいちばんの練習になります。

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