読書感想文の書き出し|すぐ使える例文と5つの書き方

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読書感想文を書こうとして、最初の一行で手が止まってしまう。そんな経験はありませんか。実は、書き出しには「使える型」がいくつかあります。型を知ってしまえば、白い原稿用紙とにらめっこする時間はぐっと短くなります。

この記事では、すぐにまねできる書き出しの5パターンと、学年別の例文、そしてやってはいけないNG例をまとめました。書き出しさえ決まれば、あとの本文は驚くほどすらすら進みます。

「本を読み終えたのに、一文字も書けない…」という子は本当に多いんです。まずは書き出しだけ、いっしょに片付けてしまいましょう。

目次

読書感想文の書き出しで大事な3つのポイント

書き出しを考える前に、押さえておきたい考え方が3つあります。この3つを意識するだけで、ありきたりな書き出しから一歩抜け出せます。難しいテクニックは必要ありません。

書き出しに使う分量は、長くても原稿用紙で数行です。400字詰めの用紙は1行20字なので、40字なら2行、80字でも4行にしかなりません。それでも読み手が最初に目にする場所なので、感想文の印象を大きく左右します。裏を返せば、直すときも数十字を入れ替えるだけで印象が変わる部分です。

あらすじから書き始めない

いちばん多い失敗が、いきなりあらすじを書いてしまうことです。「この本は主人公の少年が冒険する物語です」から始めると、読み手には「本の紹介文」に見えてしまいます。感想文は、本の説明ではなくあなたの心の動きが主役です。あらすじは、あとの段落で必要な分だけ触れれば十分です。

あらすじから入りたくなるのは、本を知らない人に説明しなければと感じるからです。ですが読み手である先生は、その本の内容をすでに知っていることがほとんどです。作品の紹介役まで引き受ける必要はありません。すでに1文書いてしまったときは、消さずに「そこで私は」と続けてみてください。あとから出てきた気持ちの部分だけを残せば、そのまま書き出しに使えます。

「立場」がわかる一文にする

入賞するような感想文は、最初の一文で書き手の気持ちや立場がわかります。「うれしかった」「こわかった」「意外だった」など、あなたがどう感じたのかを先に見せるのです。読み手は「なぜそう感じたの?」と続きが気になります。この「続きが気になる状態」を、書き出しで作るのが理想です。

気持ちを表す言葉がすぐに浮かばないときは、読む前と読んだ後の差を書く方法もあります。「読む前は暗い話だと決めつけていました」のように、思い込みが外れたことを示すだけでも立場は伝わります。書けたら、その一文だけを家族に見せてみてください。本の内容を知らない相手でも書き手の構えが伝わるなら、立場のある一文になっています。

続きを読みたくさせる

書き出しの役割は、読み手を本文へ引き込むことです。全部を説明しようとせず、あえて疑問や感情だけを置いておきます。ドラマの冒頭シーンと同じで、「この先どうなるの?」と思わせたら成功です。かっこいい言葉を使う必要はなく、素直な気持ちを短く書くだけで十分に効果があります。

書き出しの黄金ルール:「あらすじ」ではなく「自分の感情・疑問」から始める。たった一文でも、あなたの気持ちが見えれば読み手は続きを読みたくなります。

すぐ使える書き出しの5パターン【例文つき】

ここからは、そのまま形をまねできる書き出しの5パターンを紹介します。自分の読んだ本に合いそうな型を1つ選んで、言葉を入れ替えるだけで書き出しが完成します。迷ったら、一番書きやすそうなものから試してみてください。

使うときは、型を1つに絞るのがコツです。問いかけと引用を両方入れると、書き出しだけで4文も5文もかかってしまいます。下の例文も、そのまま写すのではなく場面や気持ちの部分を自分の言葉に置き換えて使ってください。同じ本を読んだ人と書き出しが重なるのを避けられます。

原稿用紙とえんぴつ、本が机に置かれた勉強のイメージ

(1) 問いかけ型

読み手に質問を投げかけて始める型です。冒頭で問いを立てると、読み手は自然と自分ごととして考え始めます。答えを本文で明かしていく流れにすると、まとまりのよい感想文になります。

向いているのは、主人公が大きな決断をする物語や、正解のないテーマを扱った本です。気をつけたいのは、問いを立てたまま本文で答えないパターンです。「人生とは何か」のような大きすぎる問いも、答えに戻れなくなります。問いは本の場面に結びつけて、最後に自分なりの答えを書ける大きさにしておきます。

問いかけ型の例文:もし自分が主人公と同じ立場だったら、同じ選択ができただろうか。この本を読み終えたとき、私は何度も自分にそう問いかけました。

(2) セリフ・フレーズ引用型

本の中で心に残ったセリフや一文を、そのまま書き出しに使う型です。印象的な言葉から始めると、読み手の心をつかみやすくなります。引用したあとに「なぜこの言葉が心に残ったのか」を続けると、話が自然につながります。

セリフが印象に残る小説や、伝記のように語り継がれた言葉が出てくる本と相性のよい型です。引用は1〜2文までにとどめ、長い場面をまるごと写さないようにします。三行以上を写すと、感想を書く時間より書き写す時間のほうが長くなります。引用する言葉は記憶で書かず、本のページを開いて確かめてから写しましょう。

引用型の例文:「あきらめなければ、道はきっと見つかる」。この一言が、読み終えたあともずっと私の頭から離れませんでした。

(3) 感情ストレート型

読み終えた瞬間の気持ちを、まっすぐに書く型です。かざらない素直な言葉ほど、読み手に伝わります。「感動した」だけで終わらせず、体の反応や具体的な場面を添えると、ぐっとリアルになります。

結末で大きく展開する物語や、読み終えた直後に気持ちが動いた本に向いています。落とし穴は、感情の言葉をいくつも並べてしまうことです。うれしい・悲しい・驚いたを一度に書くと、どれが本音なのか伝わりません。書き出しでは感情を1つに絞り、「読み終えたのが夜中だったのに、すぐには電気を消せませんでした」のように、その気持ちが強く出た瞬間を1か所だけ添えます。

感情ストレート型の例文:最後のページを閉じたあと、私はしばらく動くことができませんでした。胸の中がいっぱいで、うまく言葉にできなかったからです。

(4) 本との出会い・選んだ理由型

その本を手に取ったきっかけから書き始める型です。「表紙が気になった」「友達にすすめられた」など、自分と本との出会いを語ります。書き出しに困ったときの定番で、どんな本にも使いやすいのが魅力です。

課題図書や指定された本のように、自分では選んでいない本にも使いやすい型です。ただ「先生にすすめられたから」だけで止めると、そっけない書き出しになります。手に取った瞬間に何が引っかかったのか、題名の中の一語・帯に書かれた一文・目次で見つけた言葉のどれかを1つ挙げてみてください。きっかけが具体的になるほど、そのあとの感想にもつなげやすくなります。

出会い型の例文:図書館でなにげなく手に取ったこの本が、まさか自分の考え方を変えることになるとは思いませんでした。

(5) 自分の体験と重ねる型

本のテーマと、自分の経験を重ねて書き出す型です。「私にも似たことがあった」と始めると、感想文全体に説得力が生まれます。自分だけのエピソードは、他の誰にもまねできないオリジナルの書き出しになります。

学校生活や家族が出てくる物語のように、自分の日常と近い本で使いやすい型です。落とし穴は、思い出話が長くなって本の話に戻れなくなることです。自分の経験にふれるのは2文までにして、3文目で「だからこの本を読んだとき」と本へ戻します。書き出しの段階では、体験の細かい事情まで説明しなくて構いません。

体験重ね型の例文:私にも、この主人公とそっくりな失敗をした思い出があります。だからこそ、この物語をひとごととは思えませんでした。

【学年別】書き出し例文

同じ型でも、学年によって使う言葉や書ける長さは変わります。ここでは小学生・中学生・高校生に分けて、そのまま参考にできる書き出し例を紹介します。自分の学年に合った言い回しを選んでください。

学年による違いは、主に一文の長さと使う言葉に出ます。目安は、低学年が1文で20〜30字、中学年と高学年が2文で40〜60字、中学生が2文で60〜80字、高校生は2〜3文で80〜120字ほどです。学校から字数の指定があるときは、その指定に合わせて増減させてください。

小学生(低・中・高学年)

小学生は、むずかしい言葉を使う必要はありません。素直な気持ちをそのまま書くのが一番です。低学年ほど短く、高学年になるにつれて理由を少し足していくとバランスがよくなります。

  • 低学年:この本を読んで、いちばんびっくりしたのは○○のところです。
  • 中学年:もし自分が○○だったら、どうするだろうと考えながら読みました。
  • 高学年:読み始めたときは軽い気持ちでしたが、最後には○○について真剣に考えていました。

小学生の書き方全体のコツは、こちらの記事でくわしく解説しています。

中学生

中学生は、感じたことに「なぜそう思ったか」を一言そえると、ぐっと大人っぽい書き出しになります。感情と理由をセットで見せるのがポイントです。背伸びをせず、自分の言葉で書くことを大切にしてください。

中学生がつまずきやすいのは、大人びた言葉を選ぼうとして手が止まるパターンです。「衝撃を受けた」と書くより、「読み終えてから、しばらく友達に話せませんでした」のほうが気持ちは伝わります。感情と理由を1文に詰め込まず、2文に分けるのも読みやすくするコツです。

中学生の例文:正直に言えば、私はこの本のタイトルにあまり期待していませんでした。ところが読み進めるうちに、その考えが完全にくつがえされたのです。

高校生

高校生は、社会や自分の将来と結びつけた書き出しに挑戦してみましょう。本のテーマを一段広い視点でとらえると、読み応えのある感想文になります。抽象的な問いから始めるのも効果的です。

抽象的な問いから書き始めるときは、その問いが浮かんだ場面を次の一文で示します。問いを置いたまま本に戻らないと、書き出しが評論の前置きのようになってしまいます。読んでいる途中で自分の考えが変わった瞬間を、そのまま冒頭に持ってくる方法も有効です。

高校生の例文:「本当の豊かさとは何か」。この問いは古くからくり返されてきましたが、本書はそれに新しい角度から光を当ててくれました。

やってはいけない書き出しNG例

ここでは、多くの人がついやってしまう書き出しの失敗を紹介します。逆に言えば、これを避けるだけで平均点以上の書き出しになります。自分の書き出しが当てはまっていないか、チェックしてみてください。

見直すときは、冒頭の2文だけを声に出して読んでみてください。自分の気持ちが1つも出ていなければ、書き直しの合図です。書き直すといっても、手を入れるのは最初の2文だけで済みます。本文をすべて書き替える必要はないので、時間は5分もかかりません。

「私はこの本を読みました」で始める

もっともありがちなのが、この書き出しです。事実を述べているだけで、あなたの気持ちがまったく伝わりません。感想文は「読んだ」という報告ではなく、「読んでどう思ったか」を伝える文章です。同じ内容でも、感情を先に出すだけで印象は大きく変わります。

直すときは、文末だけを変えても効果がありません。「私はこの本を読んで感動しました」も、事実と一般的な感想が並んでいるだけだからです。「表紙の絵の意味がわかった瞬間、私は最初のページに戻って読み直しました」のように、いつ・どこで気持ちが動いたのかに入れ替えます。読んだという事実は、その先の文に自然と含まれます。

あらすじを長々と書く

書き出しでいきなりあらすじを説明し始めると、感想が始まる前に読み手が飽きてしまいます。あらすじは本文の中で必要最小限にとどめましょう。目安として、あらすじは全体の2割以下におさえると、感想が主役の文章になります。

「読みました」「面白かったです」だけだと、先生も続きが気になりません。最初の一文に、あなたの心の動きをのせてあげましょう。

書き出しが決まったら、最後に残るのが題名です。こちらも本文から拾えば決められます。

書き出しがどうしても浮かばないときのコツ

いろいろな型を見ても書き出しが決まらない。そんなときに効く、とっておきのコツを2つ紹介します。無理に最初から順番に書こうとしないのが、行きづまらないための秘訣です。

手が止まる原因は、大きく2種類に分かれます。感想の材料がまだ集まっていない場合と、材料はあるのに最初の一文が決められない場合です。前者なら、型をいくつ眺めても進みません。提出までの時間がないときは、前述の「本との出会い・選んだ理由型」なら材料が少なくても形になります。

本文を先に書いて後から書き出しを決める

書き出しは、最後に決めてもまったく問題ありません。むしろ本文を書き終えたあとのほうが、記事全体に合う書き出しを選びやすくなります。まず感想の中身を書き出し、一番伝えたい部分を冒頭に持ってくる。これだけで、しっくりくる書き出しが見つかります。

このやり方で気をつけたいのは、冒頭へ移した一文の後始末です。元の場所に同じ文が残ると、読み手は同じ内容を2回読むことになります。移したあとは、後半の同じ部分を短く言い換えるか、思い切って削ります。清書の前にメモ用紙で順番を入れ替えて確かめておくと、書き直しの回数が減ります。

付箋・メモから拾う

本を読みながら、心が動いた場面に付箋をはったりメモを取ったりしておきましょう。書き出しに悩んだら、そのメモを見返すのが近道です。一番強く心が動いた瞬間こそ、書き出しにふさわしい題材になります。読む段階のひと手間が、書く段階を大きく助けてくれます。

行きづまったときの手順

  1. まず感想の本文を自由に書く
  2. その中で一番伝えたい一文をさがす
  3. それを冒頭に持ってきて書き出しにする

どんな本を選ぶかで、書き出しの浮かびやすさも変わります。書きやすい本の選び方は、こちらの記事が参考になります。

よくある質問

書き出しは何文字くらいが目安ですか?

決まりはありませんが、1〜3文で十分です。長く書くよりも、あなたの気持ちがはっきり伝わる短い一文のほうが効果的です。

会話文(かぎかっこ)から始めてもいいですか?

問題ありません。本のセリフや自分の言葉をかぎかっこで始めると、印象的な書き出しになります。ただし引用した言葉は、あとで内容につなげましょう。

「私は」で始めてはいけないのですか?

「私は」で始めること自体は問題ありません。避けたいのは「私はこの本を読みました」のように、事実だけで感情がない書き出しです。「私は驚きました」なら気持ちが伝わります。

書き出しと結びは同じ内容でもいいですか?

冒頭の問いや気持ちに、最後で答える形にすると全体がきれいにまとまります。同じ言葉のくり返しではなく、読む前と読んだ後で気持ちがどう変わったかを書くのがおすすめです。

書き出しに本のタイトルや作者名を入れたほうがいいですか?

入れなくても構いません。本の情報は、感想を書き進める中でふれれば十分に伝わります。限られた一文を本の紹介に使うより、自分の気持ちを一つ見せるほうが冒頭としては効きます。学校から書式の指示がある場合は、そちらを優先してください。

まとめ

読書感想文の書き出しは、型を知ってしまえば怖くありません。あらすじからではなく、自分の感情や疑問から始める。この一点を守るだけで、ぐっと読ませる書き出しになります。

この記事のまとめ

  • あらすじではなく「感情・疑問」から始める
  • 迷ったら5つの型から1つ選んで言葉を入れ替える
  • 書き出しは最後に決めてもよい
  • 付箋やメモが書き出しのヒントになる

まずは5つの型から、一番書きやすそうなものを1つ選んでみてください。最初の一文が決まれば、あとの本文は自然とついてきます。今年の読書感想文が、少しでも楽に進むことを願っています。

書き出しが決まったあとに迷いやすいのが、本文の組み立てです。高校生向けには、段落ごとの進め方と例文をまとめた記事があります。

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