中学生の読書感想文おすすめ本15選|選び方と書きやすい本

book-report-middle-school

夏休みの宿題でいちばん時間がかかるのが、読書感想文の本選びです。書店や図書館に行っても背表紙を眺めるだけで終わり、結局まだ1ページも読めていない、という中学生は少なくありません。

この記事では、感想文が書きやすい本の選び方と、中学生向けのおすすめ本15冊を「小説・物語」「ノンフィクション・社会」「短くて読みやすい本」の3ジャンルに分けて紹介します。結論からいえば、選ぶ基準は「自分の経験と重なるか」「最後まで読み切れる長さか」の2つで十分です。この2つを満たす1冊が決まれば、あとは読みながらメモを取るだけで書き始められます。

目次

中学生の読書感想文におすすめの本を選ぶ3つのコツ

読書感想文がスムーズに進むかどうかは、「本選び」で大きく決まります。自分に合った1冊を見つけることが、スムーズに書くための第一歩です。

夏休みの宿題で毎年悩む読書感想文。「何を読めばいいかわからない」という中学生はとても多いものです。ここでは、感想文が書きやすい本を選ぶための3つのポイントを紹介します。

本選びにかける時間は、長くても30分ほどで区切るのがおすすめです。迷っている時間そのものが、読む時間と書く時間を削ってしまうためです。次の3つのポイントを順番に当てはめて、候補を2〜3冊まで絞ってから最後の1冊を決めましょう。

自分の体験や気持ちと重なるテーマを選ぶ

読書感想文で大切なのは、本の内容と自分の経験をつなげることです。部活をがんばっている人ならスポーツがテーマの小説、友達関係で悩んだ経験がある人なら人間関係を描いた作品を選ぶと、自分の言葉で感想が書きやすくなります。

「自分だったらどうするだろう」と考えられる本は、感想文の中身がぐっと深くなります。

テーマの見当がつかないときは、この1年で心が動いたできごとを3つ書き出してみてください。「レギュラーを外された」「転校した友達がいる」「進路の話で親と言い合いになった」といった具体的な場面が挙がれば、それに近い話を扱った本を探すだけで候補が絞れます。

ページ数200〜300ページ前後が書きやすい

あまりに長い本を選ぶと、読み終えるだけで時間がかかってしまいます。一方で薄すぎる本は内容が軽く、感想文のボリュームを出しにくいことも。200〜300ページ前後の本は、内容の深さと読みやすさのバランスがちょうどよいのでおすすめです。

1日に30ページ読める人なら、250ページの本はおよそ8〜9日で読み終わる計算になります。提出日から逆算して、読む日数と書く日数を分けて考えておくと安心です。なお同じ作品でも、単行本か文庫版か、どの出版社の版かによってページ数は変わります。手に取った本の実際のページ数で見積もってください。

あらすじを読んで「気になる」と感じた本にする

書店や図書館で裏表紙のあらすじを読んだとき、「続きが読みたい」と思えるかどうかがポイントです。義務感だけで選んだ本は、読むのがつらくなりがちです。少しでも興味をひかれた1冊なら、自然と読み進められて感想も浮かびやすくなります。

判断に迷ったら、最初の5ページだけその場で読んでみましょう。文章のテンポや言葉づかいが合わないと感じる本は、あらすじが面白そうでも最後まで進みません。逆に5ページで登場人物の名前が頭に入ってきた本は、そのまま読み切れる可能性が高い1冊です。

図書館で本を選んでいる中学生のイメージ

高校生になると、同じ読書感想文でもあらすじより考察の比重が大きくなります。進学したあとの書き方は、こちらの記事で構成と例文を紹介しています。

【小説・物語】読書感想文が書きやすいおすすめ本5選

中学生の読書感想文には、登場人物の成長や葛藤が描かれた小説が定番です。感情移入しやすく、自分の体験と結びつけて書きやすい5冊を厳選しました。

小説を選ぶときは、主人公の年齢が自分と近いかどうかも目安になります。中学生や高校生が主人公の作品なら、学校生活や家族との関係が自分の毎日と重なり、「自分ならこうする」という考えが浮かびやすくなります。ここでは、長く読み継がれていて図書館でも見つけやすい作品を中心に並べました。

『バッテリー』あさのあつこ

作品データ

  • 著者:あさのあつこ
  • ページ数:約270ページ(文庫版・第1巻)
  • テーマ:才能・努力・友情

天才的なピッチングセンスを持つ中学生・巧と、キャッチャーの豪のバッテリーを描いた青春野球小説です。才能があるゆえの孤独や、仲間との衝突がリアルに表現されています。

部活動に打ち込んでいる人なら、巧の葛藤に共感できる場面がきっと見つかります。「努力と才能のどちらが大切か」という問いかけは、感想文のテーマにぴったりです。

1996年から刊行された全6巻のシリーズで、1997年に第35回野間児童文芸賞を受賞しています。文庫版は角川文庫から出ています。巧は周囲に合わせようとしない主人公なので、読んでいて反発を覚える場面もあるはずです。その「納得できなかった気持ち」も、そのまま感想文の材料になります。

『カラフル』森 絵都

作品データ

  • 著者:森 絵都
  • ページ数:約270ページ(文庫版)
  • テーマ:自分らしさ・生きること

死んだはずの魂が、抽選に当たって別の中学生の体に「ホームステイ」するという不思議な設定の物語です。他人の人生を生きるうちに、生きることの意味を見つめ直していきます。

「自分のいいところって何だろう」と考えたことがある人は、主人公と一緒に答えを探すような読書体験ができます。読後に自分の考えが変わったポイントを書くと、深みのある感想文になります。

1998年に理論社から刊行され、第46回産経児童出版文化賞を受賞した作品です。文庫版は文春文庫から出ています。ホームステイ先となるのは中学3年生の少年で、学校でのできごとや家族とのやりとりが等身大に描かれているため、同じ年ごろの読者ほど場面を思い浮かべやすい一冊です。

『西の魔女が死んだ』梨木香歩

作品データ

  • 著者:梨木香歩
  • ページ数:約220ページ(文庫版)
  • テーマ:成長・自立・家族

不登校になった中学生のまいが、「西の魔女」と呼ばれるおばあちゃんのもとで過ごすひと夏の物語です。おばあちゃんから教わる「魔女修行」は、自分で決めて自分で行動するという、とてもシンプルなものでした。

学校になじめない気持ちや、大人になることへの不安を感じたことがある人に響く作品です。まいの変化と自分の経験を重ねると、説得力のある感想文が仕上がります。

1994年に刊行された梨木香歩さんのデビュー作で、日本児童文学者協会新人賞・新美南吉児童文学賞・第44回小学館文学賞を受賞しています。文庫版は新潮文庫から出ており、2008年には実写映画も公開されました。おばあちゃんとまいの会話が中心に進むため、立ち止まって考えたい場面が見つけやすい一冊です。

『夜のピクニック』恩田 陸

作品データ

  • 著者:恩田 陸
  • ページ数:約460ページ(新潮文庫版)
  • テーマ:友情・青春・秘密

高校の伝統行事「歩行祭」で、夜通し80キロを歩く一日を描いた青春小説です。歩きながら交わされる会話の中で、登場人物たちの秘密や本音が少しずつ明かされていきます。

体育祭や文化祭など学校行事の思い出がある人なら、共感できるシーンが多いはず。友達との何気ない時間の大切さについて書くと、自分らしい感想文になります。

2004年に刊行され、第2回本屋大賞と第26回吉川英治文学新人賞を受賞した作品です。物語のほとんどが「歩いている時間」なので、大きな事件を追うより、会話や心の動きを拾っていく読み方が向いています。行事の準備で仲間と長い時間を過ごした経験がある人は、そのときの空気を思い出しながら読むと感想が浮かびやすくなります。

『博士の愛した数式』小川洋子

作品データ

  • 著者:小川洋子
  • ページ数:約300ページ(新潮文庫版)
  • テーマ:記憶・思いやり・数学の美しさ

記憶が80分しか持たない数学の博士と、家政婦の「私」、その息子のルートの交流を描いた物語です。博士は毎朝「私」のことを忘れてしまいますが、数式を通じて3人の間には温かな絆が生まれます。

数学が好きな人はもちろん、苦手な人でも数の不思議に引き込まれる作品です。「記憶がなくなっても残るものは何か」というテーマは、感想文で自分なりの答えを書きやすいポイントになります。

2003年に刊行され、翌年の第1回本屋大賞を受賞した作品です。文庫版は新潮社から出ています。作中には数式が出てきますが、自分で解く必要はまったくありません。博士が数の美しさを語る場面として読めば大丈夫です。数学が苦手な人ほど、「わからないものを美しいと感じるのはなぜか」という切り口で書けます。

【ノンフィクション・社会】考えが深まるおすすめ本5選

小説が苦手な人には、実話や社会の問題を扱ったノンフィクションがおすすめです。自分の意見を書きやすく、「考えたこと」を中心に感想文を組み立てられます。

ノンフィクションを選ぶときは、テーマが自分から遠すぎないかを確かめてください。まったく知らない分野の本は、内容を理解するだけで手一杯になり、自分の意見まで届かないことがあります。家族・お金・進路・学校といった、身近な言葉が目次に並んでいる本から選ぶと失敗しにくくなります。

本を読みながらノートにメモをとる手元のイメージ

『ホームレス中学生』田村 裕

作品データ

  • 著者:田村 裕(お笑いコンビ・麒麟)
  • 出版社:ワニブックス(2007年刊行)
  • テーマ:家族・貧しさ・支えてくれる人

お笑い芸人・麒麟の田村裕さんが、中学生のときに家族とバラバラになり公園で生活した実体験をつづったエッセイです。過酷な状況でもユーモアを忘れない語り口で、読みやすさは抜群です。

「当たり前の日常」のありがたさを考えるきっかけになります。自分の生活と比べて感じたことを率直に書くだけで、しっかりした感想文に仕上がります。

2007年に刊行され、2008年10月の時点で225万部を売り上げたベストセラーです。出来事が起きた順に語られるので、話の流れを追いやすいのも特徴です。感想文では、著者が周りの人に助けられた場面を1つ選び、自分が誰かに助けられた経験と並べて書くとまとまりやすくなります。

『14歳からの哲学』池田晶子

作品データ

  • 著者:池田晶子
  • 出版社:トランスビュー(2003年刊行)
  • テーマ:自分・言葉・生きること

「自分とは何か」「生きるとは何か」「死とは何か」といった根本的な問いに、中学生にもわかる言葉で向き合った哲学入門書です。答えを教えるのではなく、自分で考えることを促してくれます。

哲学というと難しそうに感じますが、1つのテーマが短くまとまっているので読みやすい構成です。気になったテーマを1つ選んで、自分の考えを掘り下げると充実した感想文になります。

正式な書名は『14歳からの哲学 考えるための教科書』で、「言葉」「死」「心」「友情と愛情」「メディアと書物」など約30のテーマが並んでいます。最初から順番に読み通す必要はありません。目次を見て、いちばん引っかかった見出しから読み始めるのが、感想文にたどり着く近道です。

『夢をかなえるゾウ』水野敬也

作品データ

  • 著者:水野敬也
  • 出版社:飛鳥新社(2007年刊行)
  • テーマ:習慣・自分を変えること

ダメダメなサラリーマンのもとに、関西弁を話すゾウの神様・ガネーシャが現れるという設定のベストセラーです。「靴を磨く」「トイレを掃除する」といった小さな行動から人生が変わっていく様子が、会話形式でテンポよく描かれています。

物語を楽しみながら「自分を変えるにはどうすればいいか」を考えられる一冊です。ガネーシャの教えの中で、自分が実践したいと思ったことを書くと、説得力のある感想文が完成します。

2007年の刊行後にシリーズ化され、累計430万部を超えています。ガネーシャが出す課題には「コンビニでおつりを募金する」「会った人を笑わせる」など、中学生でも今日から試せるものが並びます。読み終えたあとに実際に1つやってみて、その結果まで書くと、本の要約で終わらない感想文になります。

『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』八木仁平

作品データ

  • 著者:八木仁平
  • 出版社:KADOKAWA(2020年刊行)
  • テーマ:自己理解・進路

「好きなこと」「得意なこと」「大事にしていること」の3つを掛け合わせて、やりたいことを見つける方法を解説した実用書です。ワーク形式で実際に考えながら読み進められます。

将来の夢や進路を考え始める中学生の時期にちょうどよい内容です。本の内容に沿って自分のやりたいことを考えた過程を書くと、オリジナリティのある感想文になります。

副題は「人生のモヤモヤから解放される自己理解メソッド」で、やりたいことは運や偶然で見つかるものではなく、順番に考えれば言葉にできる、という立場で書かれています。中学生が読むときは、テーマを一生の仕事まで広げず「高校でやりたいこと」くらいの大きさに置きかえると、ワークが進めやすくなります。

『君たちはどう生きるか』吉野源三郎

作品データ

  • 著者:吉野源三郎
  • 出版社:岩波文庫・岩波少年文庫ほか(漫画版はマガジンハウス/漫画・羽賀翔一)
  • テーマ:勇気・友情・社会のしくみ

1937年に出版されて以来、長く読み継がれてきた名著です。中学生のコペル君が、叔父さんとの対話を通じて「人間としてどう生きるか」を考えていきます。

2017年に漫画版が発売されて大きな話題になりました。活字が苦手な人は漫画版から入るのもおすすめです。

いじめや貧困、社会のしくみなど、現代にも通じるテーマが多く取り上げられています。コペル君と同じ中学生の視点で「自分ならどうするか」を書くと、自然と深い感想文に仕上がります。

物語のあいだに、叔父さんがコペル君に宛てて書いたノートが差しはさまれる構成になっています。物語部分だけを追うと説明が足りなくなるので、ノートの中で心に残った一節を1つ書き写しておくと、感想文の柱にできます。読む前に書名の「君たち」が誰のことかを考えておくのもおすすめです。

【短くて読みやすい】読書が苦手な中学生向けおすすめ本5選

「読書感想文は書きたいけれど、長い本を読む時間がない」「そもそも本を読むのが苦手」という人でも大丈夫。短くても中身の濃い作品を集めました。

短い本を選ぶときに気をつけたいのは、あらすじだけでは指定の字数を埋められないことです。ページ数が少ないぶん、1つの場面について考えた時間の長さが、そのまま感想文の厚みになります。ここで紹介する5冊は、いずれも読み終えたあとに「なぜ」と問いたくなる場面を持っている作品です。

『走れメロス』太宰 治

作品データ

  • 著者:太宰 治
  • 出版社:新潮文庫ほか(1940年に雑誌『新潮』で発表)
  • テーマ:信頼・友情・約束

友との約束を守るために走り続けるメロスの姿を描いた、国語の教科書でもおなじみの短編小説です。文庫版なら数十ページで読み切れます。

短い作品ですが、「信頼とは何か」「人を信じることの難しさ」という大きなテーマが詰まっています。教科書で一度読んだことがある人も、改めてじっくり読むと新しい発見があるはずです。

1940年に雑誌『新潮』へ発表された作品で、いまは新潮文庫などの短編集に収められています。著作権の保護期間が終わっているため、電子図書館の青空文庫でも読むことができ、本が手元にない日でもすぐ読み始められます。感想文では、メロスの気持ちが揺れる場面を引用し、そこから走り出した理由を自分の言葉で説明すると進めやすくなります。

『星の王子さま』サン=テグジュペリ

作品データ

  • 著者:サン=テグジュペリ
  • 出版社:岩波書店(内藤濯訳)ほか
  • テーマ:大切なもの・出会いと別れ

砂漠に不時着した飛行士が、小さな星からやってきた王子さまと出会う物語です。やさしい言葉で書かれていますが、「大切なものは目に見えない」というメッセージは深く心に残ります。

子ども向けの本に見えて、実は大人になるほど響く不思議な作品です。王子さまの言葉の中で、特に印象に残ったフレーズを取り上げて感想を書く方法が書きやすいのでおすすめです。

日本では1953年に岩波書店から内藤濯さんの訳で刊行され、『星の王子さま』という題名も内藤さんが考えたものです。現在は複数の出版社から異なる訳が出ているので、最初の数ページを読み比べて、自分が読みやすいと感じた訳を選ぶとよいでしょう。訳によって印象が変わること自体を、感想文で取り上げることもできます。

『窓ぎわのトットちゃん』黒柳徹子

作品データ

  • 著者:黒柳徹子
  • 出版社:講談社(1981年刊行)
  • テーマ:個性・学びの場・友だち

黒柳徹子さんの小学生時代の実話をもとにした自伝的作品です。型破りなトットちゃんを温かく受け入れるトモエ学園の小林先生の教育方針が、いきいきと描かれています。

「自分らしさを認めてもらえるってどういうことだろう」と考えさせられる一冊です。今の自分の学校生活と比べながら読むと、感想文のネタが自然に見つかります。

1981年に講談社から刊行され、累計発行部数は2,500万部を超えます。自伝としてもっとも多く発行された本として、ギネス世界記録にも認定されています。1つのエピソードが数ページで完結する構成なので、通学時間や寝る前など、細切れの時間でも読み進められる点も中学生向きです。

『100万回生きたねこ』佐野洋子

作品データ

  • 著者:佐野洋子
  • 出版社:講談社(1977年刊行)
  • テーマ:愛すること・生きること

絵本として知られる作品ですが、「愛すること」「本当に生きること」をテーマにした深い物語で、中学生の読書感想文にも十分使えます。100万回生きて100万回死んだねこが、最後に本当に大切な存在と出会います。

ページ数が少ない分、一つひとつの場面をじっくり考えることができます。「なぜ最後のねこは生き返らなかったのか」という問いを軸にすると、深い感想文が書けます。

1977年に講談社から刊行された絵本で、2013年の時点で累計200万部を超えています。短い時間で読み終えられるので、1回目は物語を追い、2回目は絵と文章を照らし合わせるという読み方ができます。同じ場面でも2回目に受ける印象が変わったなら、その変化がそのまま感想文の中身になります。

『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』ブレイディみかこ

作品データ

  • 著者:ブレイディみかこ
  • 出版社:新潮社(2019年刊行・新潮文庫あり)
  • テーマ:多様性・貧富の差・自分は何者か

イギリスで暮らす日本人の母と、アイルランド人の父を持つ息子の中学校生活を描いたエッセイです。人種、貧困、ジェンダーなど、多様性にまつわるエピソードがわかりやすく語られています。

日本にいると気づきにくい「違い」について考えるきっかけになります。異文化理解や多様性に興味がある人にはぴったりの一冊です。自分の学校生活と比較して書くと、読み応えのある感想文に仕上がります。

2019年に刊行され、Yahoo!ニュース|本屋大賞のノンフィクション本大賞と、第73回毎日出版文化賞特別賞を受賞しています。息子さんの学校生活が1話ずつの短いエピソードで語られるため、途中で止めても話を見失いません。気になった1話に絞って書けば、それだけで感想文の芯ができます。

読書感想文が書きやすくなる本の読み方

おすすめの本が決まったら、次は「読み方」を工夫してみましょう。少しのコツで、感想文を書くときの材料がぐっと増えます。

用意しておくものは、付箋とノート(またはスマートフォンのメモ)の2つだけです。読み終えてから思い出そうとすると、心が動いた瞬間の言葉はほとんど残っていません。読みながら短く残すことが、書き始めるまでの時間をいちばん短くしてくれます。ここで紹介する3つの工夫は、すべてやろうとせず、自分が続けられそうなものから試すだけでも十分に効果があります。

付箋を貼った本のイメージ

付箋を貼りながら読む

心が動いた場面や、印象に残ったセリフに付箋を貼りながら読んでみてください。読み終えたあとに付箋のページを見返すだけで、感想文に書きたいポイントが整理できます。

付箋の色を「共感した場面」「疑問に感じた場面」「心に残った言葉」のように使い分けると、さらに効率的です。

注意したいのは、図書館や学校で借りた本の扱いです。付箋を直接貼るのも、ページの端を折るのも避けてください。代わりに紙やスマートフォンのメモへ「◯ページ・どんな場面か」を1行ずつ書き足していけば、返却したあとでも書きたい場面を呼び出せます。

「なぜ?」と思った場面をメモする

登場人物の行動や、物語の展開に「なぜだろう?」と疑問を持つことが大切です。その疑問こそが、感想文のテーマになります。

たとえば「なぜメロスは友のために命をかけたのか」「なぜコペル君は自分を責めたのか」のように、具体的な場面と結びつけてメモしておくと、書くときに困りません。

疑問はいくつ浮かんでもかまいませんが、感想文で扱うのは1つか2つに絞ります。あれもこれもと並べると、どれも浅いまま終わってしまうからです。また、答えが出ない疑問を無理に解決する必要もありません。「読み終えてもわからなかった」と書いたうえで自分なりの推測を添えれば、それも立派な感想になります。

登場人物と自分を比べてみる

「自分が同じ立場だったらどうするか」を考えながら読むと、感想文の核になる意見が生まれます。登場人物に共感した部分だけでなく、「自分とは違うな」と感じた部分も大切な感想の材料です。

共感と違和感の両方を書くことで、ただのあらすじ紹介ではない、自分だけの感想文が完成します。

比べる相手は主人公でなくてもかまいません。主人公を支える友達や、厳しいことを言う大人のほうが、自分に近いと感じることもあります。「自分はこの人の立場に近い」と思える登場人物を1人決めてから読み進めると、意見がぶれずに最後までまとまります。

読み終えたあと、最初の一文でつまずく人は多いものです。書き出しのパターンと例文は、こちらの記事にまとめています。

よくある質問

課題図書じゃないとダメですか?

学校によって異なります。課題図書が指定されている場合はそちらを優先しましょう。「自由図書でもOK」という場合は、この記事で紹介した本から選ぶのがおすすめです。

読書感想文は何文字くらい書けばいいですか?

青少年読書感想文全国コンクールの場合、中学生は本文2,000文字以内(原稿用紙5枚以内)が目安です。学校独自の課題であれば、指定された文字数に従ってください。

映画化された本を選んでもいいですか?

もちろん大丈夫です。ただし、感想文はあくまで「本を読んだ感想」を書くものです。映画の内容ではなく、原作を読んで感じたことをもとに書きましょう。映画と原作の違いに触れるのも面白い切り口になります。

まんがや絵本でも読書感想文を書けますか?

コンクールによっては対象外の場合がありますが、学校の課題であれば認められることも多いです。『100万回生きたねこ』のような絵本でも、テーマが深い作品なら充実した感想文が書けます。事前に先生に確認しておくと安心です。

シリーズものは全巻読まないといけませんか?

全巻そろえる必要はありません。続きものであっても、読んだ巻までの内容で1本の感想文は成立します。冒頭で「第1巻を読んで」のように読んだ範囲をひとこと添えておくと、先生にも内容が伝わりやすくなります。

本はどこで手に入れるのがいいですか?

学校図書館や地域の図書館で借りるのがいちばん手軽です。夏休みは定番の本ほど貸出中になりやすいので、予約の仕組みを使うか、書店や電子書籍も候補に入れておくと安心です。『走れメロス』のように著作権の保護期間が終わった作品なら、青空文庫で無料で読めます。

まとめ

中学生の読書感想文は、自分に合った本を選ぶことが何より大切です。

この記事では、読書感想文におすすめの本を3つのジャンルに分けて15冊紹介しました。

  • 小説・物語:感情移入しやすく、自分の体験と結びつけやすい
  • ノンフィクション・社会:自分の意見を軸にした感想文が書ける
  • 短くて読みやすい本:読書が苦手でも完読できて、中身も深い

本を選んだら、付箋を貼りながら読み、「なぜ?」と思った場面をメモしておくと、感想文がスムーズに書けます。登場人物と自分を比べてみることで、あらすじ紹介で終わらない、自分だけの感想文が完成します。

最初にやることは1つだけです。今日のうちに候補を2〜3冊まで書き出し、明日そのうちの1冊を借りてくること。読み始める日が決まれば、提出日から逆算して1日に読むページ数も自然と決まります。

まずは気になる1冊を手に取って、ページをめくるところから始めてみてください。

読み終えて本文が書けたら、最後に残るのが題名です。原稿用紙の書き方とあわせて、こちらの記事で確認できます。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

コメントは日本語で入力してください。(スパム対策)

CAPTCHA

目次