歴史まんがの全巻セットは、安いものでも1万円を超えます。決して気軽な買い物ではありません。
だからこそ「うちの子にはまだ早いかも」「買っても読まなかったらどうしよう」と迷ってしまいますよね。実際、買ったまま本棚に並んでいるだけ、というご家庭も少なくありません。
この記事では、何年生から読めるのかという目安と、主要5社の違いをまとめました。さらに買ったあと実際に読んでもらうためのコツまで紹介します。

比較サイトは見たけど、結局どれを選べばいいのか分からなくて…
歴史まんがは小学生の何年生から読める?
結論から言うと、小学2〜3年生から読み始めるご家庭が多いようです。ただし学年だけで判断する必要はありません。お子さんの読書量のほうが、実は大きな目安になります。
学年で線を引きにくいのは、歴史まんがが読み物と学習教材の中間にあるからです。人物の動きや時代のつながりを追うには、それなりに読む体力が要ります。小学3年生に限っても、夢中になる子と持て余す子に分かれるのはこのためです。


学校で日本史を習うのは小学6年生から
学習指導要領では、日本の歴史を本格的に学ぶのは小学6年生からと定められています。つまり授業に合わせるなら6年生がスタートラインです。
とはいえ、これはあくまで「学校で習う時期」の話。まんがで先に触れておくと、授業が始まったときに内容が頭に入りやすくなります。先取りとして低学年から読み始めるのは、まったく問題ありません。
6年生の社会科では、狩猟や採集の暮らしから大和朝廷による国土の統一、大化の改新、貴族の暮らしと日本風の文化、武士の政治の始まりへと、時代を追って学んでいきます。歴史まんがの巻立てとほぼ同じ並びなので、予習にも復習にもそのまま使えます。5年生までの社会科は国土や産業が中心で、歴史はほとんど登場しません。
実際は小2〜小3から読み始める家庭が多い
ひらがなの習得時期には個人差がありますが、小学校入学前後から自分で本を読み始める子が多いようです。歴史まんがも、絵を追いかけるだけなら低学年で十分楽しめるでしょう。
ただし歴史まんがには、現代では使わない言葉がたくさん出てきます。「幕府」「摂政」「開国」といった用語は、大人でも説明しづらいものです。時代背景も今の生活とは大きく違います。
そのため、内容をしっかり理解するのは中学年以降になることが多いと考えておくとよさそうです。
低学年で渡すか迷うときは、ふりがなと文字の大きさを見ておくと判断しやすくなります。学習まんがの多くは漢字にふりがなが付いていますが、巻末のコラムや資料ページは字が小さく、説明の書き方も大人向けに近づきます。最初のうちは、まんが部分だけ読んでコラムは飛ばす、という付き合い方でかまいません。
学年より「読書量」で判断するのが確実
いちばん確実な目安は、お子さんが今どれくらい本を読んでいるかです。
- 字の多い児童書を1冊読み切れる → 歴史まんがも読める可能性が高い
- まんがなら読むが活字の本は苦手 → 歴史まんがは入り口として向いている
- まんが自体をあまり読まない → もう少し待つか、1冊だけ試すのが安全
迷ったときの判断:いきなり全巻セットを買わず、まずは1冊だけ買って様子を見る方法があります。読み進めるようなら追加すればよいですし、合わなければ損失は1000円ほどで済みます。
読書量が読み取れないときは、図書館で数冊借りて反応を見るのが手早い方法です。返却日までに一度も開かれていなければ、まだ早いと考えてよいでしょう。逆に「続きを借りたい」と言い出したら、セットの購入を検討する段階に入っています。
日本史を習う小学6年生は、修学旅行で日光や京都・奈良を訪れる学年でもあります。行き先が決まったら、その土地が出てくる巻を先に読んでおくと、見学がぐっと面白くなります。


主要5社の違いを一覧で比較
歴史まんがは出版社ごとに個性がはっきり分かれます。まずは全体像をつかんでおきましょう。
| 出版社 | 巻数の目安 | 絵柄 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| KADOKAWA(角川) | 全16巻+別巻 | 現代的でやわらかい | 売上実績が高く、歴史の流れをつかむ構成 |
| 集英社 | 全20巻+別巻 | 親しみやすい | 近現代史のページ数が手厚い |
| 小学館 | 全20巻 | 落ち着いた画風 | 判型が大きく絵が見やすい |
| 学研 | 全12巻+別巻 | すっきりした線 | 全ページフルカラー、資料とコラムが多い |
| 講談社 | 全20巻+別巻 | 本格的なタッチ | 近現代の比重が大きい |



フルカラーとそうでないものがあるんですね。知らなかった…
巻数の差は、1冊が受け持つ時代の幅の差でもあります。全12巻なら1冊でカバーする範囲が広くなり、全20巻なら一つの時代をゆっくり描けます。冊数が少ないほど読み切りやすく、多いほど細かい出来事まで拾える、という関係です。
どこまでの出来事が収められているかも、見比べておきたい点です。小学館版は2022年に刊行された版で、令和の時代まで扱っています。講談社版は2020年6月の刊行ですが、最終巻で新型コロナウイルスの流行まで取り上げ、新学習指導要領への対応もうたっています。KADOKAWA版は最終巻に新型コロナウイルスの流行や東京オリンピックまで入っています(いずれも2026年9月時点)。刊行年は商品ページに書かれているので、収録範囲の目安として確かめられます。
シリーズを決めたあとも、どのセットを買うかという選択が残ります。集英社版にはハードカバー版とコンパクト版があり、別巻が1冊のセットと2冊のセットが並んでいます。学研版にはDVD付き、KADOKAWA版には別巻4冊付き・5冊付きといった商品もあります。注文前に商品名を最後まで読み、何冊入りなのかを確かめてください。
目的別|あなたの家に合うのはどれ?
比較表を見ても決められないときは、「何のために買うのか」から逆算するのが近道です。目的が変われば、ふさわしい1本も変わります。
同じ「日本の歴史」でも、興味の入り口として渡すのか、入試の下地として使うのかで、見るべき点が入れ替わります。前者なら読みやすさ、後者なら明治以降の分量が決め手になります。どちらとも決めきれないときは、本人が最後までページをめくれるかどうかを優先すると外しにくくなります。
はじめての歴史入門なら
歴史にまだ触れたことがないお子さんには、絵柄がやわらかく読みやすいシリーズが向いています。KADOKAWA版は絵が現代的で、まんがとして素直に楽しめる作りです。
また、フルカラーの学研版も入り口としては魅力的でしょう。色がついているだけで、ページをめくる気持ちが変わることがあります。
入門でものを言うのは、そろえた分を読み終えたという手応えです。全12巻の学研版のように冊数が少なければ、残りが何冊かを本人が把握しやすく、最後までたどり着く見通しが立ちます。KADOKAWA版はカバーイラストに著名なマンガ家やアニメーターを起用しており、書店で手が伸びるきっかけになることもあります。
中学受験を見すえるなら
受験を意識するなら、近現代史のボリュームを確認してください。入試では明治以降の出題が多く、ここが薄いシリーズだと物足りなくなります。
集英社版・講談社版は近現代に多くのページを割いている構成です。資料やコラムの充実度も判断材料になります。
数で確かめたいなら、明治以降にあてられた巻数を数えてみてください。集英社版は20巻のうち8冊が第13巻の明治維新から第20巻の現代までにあたります。志望校の過去問で近現代の出題が目立つなら、この配分はそのまま効いてきます。まだ全体の流れをつかむ段階なら、巻数の少ないシリーズで一周する方が早く終わります。
通塾を始める時期や費用の相場は、シリーズ選びとは別に見ておく価値があります。


絵の好みで選んでもいい理由
意外に思われるかもしれませんが、絵柄の好みは軽視できません。どれだけ内容が優れていても、読まなければ意味がないからです。
可能であれば書店や図書館で実物を開き、お子さん自身に選ばせてみてください。自分で選んだという感覚が、読み進める力になります。
見せる巻は1巻ではなく、戦国や幕末をおすすめします。最初の巻は原始・古代なので、絵の印象より内容の遠さが先に立ってしまいます。人物が派手に動く時代のページなら、好き嫌いがはっきり出ます。オンライン書店でも、シリーズによっては数十ページ分の無料試し読みが用意されています。
買う前に確認したい4つのこと
箱入りの全巻セットは、いったん開封すると手放しにくい買い物です。しかも決め手になるのはシリーズの中身だけでなく、置き場所や予算といった家庭側の条件であることが少なくありません。
購入ボタンを押す前に、次の順番でチェックしておくと失敗が減ります。
ネットの画像だけでは、字の大きさや絵の雰囲気は分かりません。1冊でも実物を手に取ると印象が変わります。
20巻前後になると、それなりの幅を取ります。本棚に入りきるか、先に測っておくと安心です。
同じシリーズでも「全巻のみ」「別巻つき」「特典つき」で内容と価格が変わります。何が含まれるのかを確認しましょう。
電子版なら場所を取らず持ち運びも簡単です。一方で、紙のほうが手に取りやすく読み返しやすいという面もあります。
予算に幅があるなら、買う時期も選べます。進級や誕生日、お年玉の時期に合わせれば、家族からの贈り物としてまとめやすくなります。年度の変わり目には特典付きのセットが登場することもあるため、急ぎでなければ数週間ようすを見る手もあります。
置き場所がどうしても確保できないなら、電子版に寄せる選択もあります。分かれ目になるのは、きょうだいで同時に読むかどうかです。紙なら二人が別々の巻を同時に開けますが、電子版は端末の台数までしか読めません。書き込みや付せんを使いたい場合も紙が向いています。
買っても読まれない…を防ぐ3つのコツ
実は、シリーズ選びよりこちらのほうが重要かもしれません。せっかく買った歴史まんがを本棚の飾りにしないための工夫を紹介します。
読まれない原因は、本人のやる気より渡し方や置かれ方にあることが多いものです。届いた日に箱から出して棚に並べたきり、次に手が伸びるまで何週間も空いてしまう。読む力が足りないのではなく、開くきっかけが用意されていないだけ、というケースは珍しくありません。届いてからの1週間ほどの扱い方が、その後の読まれ方を左右します。


1巻からではなく「現代」から読ませる
歴史まんがが読みにくい最大の理由は、1巻が縄文・弥生時代から始まることです。生活も文化も今とかけ離れていて、いきなり感情移入するのは簡単ではありません。
そこでおすすめなのが、近現代の巻から読み始める方法です。電車や学校が出てくる時代なら、子どもにも情景が想像できます。まんがを読む習慣がついてから1巻に戻れば、すんなり入れることが多いようです。
入り口にする巻は、目次や巻末の年表を見て、祖父母が子どもだったころや親が生まれた年が載っている1冊を選ぶと決めやすくなります。家族の思い出話と重なる出来事があれば、読んだあとの会話にも広がります。近現代の巻は1冊あたりの出来事が多いので、通しで読ませず気になった話から拾わせても構いません。
リビングの手に取れる場所に置く
子ども部屋の本棚にきれいに並べてしまうと、読む機会は意外と生まれません。テレビの近くやダイニングのそばなど、生活動線の上に置いてみてください。
手持ち無沙汰なときに1冊抜き取る。その繰り返しが読書につながります。
並べ方にもひと工夫できます。背表紙をきれいにそろえるより、数冊を表紙が見えるように立てたり、読みかけの1冊をテーブルに置いたままにしたりする方が手が伸びます。全巻を一度に出さず、5冊ずつ棚に出す方法もあります。残りは押し入れにしまい、読み終えた分と入れ替えていけば、冊数の多さに気後れせずに進められます。
親も一緒に読む・話題にする
「読みなさい」と言うより、大人が先に読んで面白がるほうが効果的です。「この将軍すごいことしてるよ」と一言こぼすだけで、子どもは気になって手を伸ばします。
旅行やテレビ番組と結びつけるのもよい方法でしょう。お城を訪れる前に該当の巻を開けば、まんがの内容が現実とつながります。
話した内容を短く書き出す場があると、会話はさらに続きます。「この人物は何をした人か」を数行でまとめるだけでも、読みっぱなしになりません。家庭学習のノートに組み込めば、まんがを開く時間がそのまま学習時間にもなります。
ノートに何を書けばよいか決まらないときは、学年別のネタを集めた記事が参考になります。


歴史まんがは「どれを買うか」より「どう読ませるか」で差がつきます。現代の巻から・目につく場所に・親も一緒に。この3つを意識するだけで、読まれ方は大きく変わります。
本を読む習慣がついてきたら、読書感想文にも取り組みやすくなります。


よくある質問
- 電子書籍版でも大丈夫ですか?
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問題ありません。場所を取らず、外出先でも読める利点があります。ただし小さいお子さんの場合、紙のほうがページをめくる楽しさを感じやすい面もあります。ご家庭の環境に合わせて選んでください。
- 中古で買っても大丈夫ですか?
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費用を抑えたいなら中古も選択肢になります。ただし歴史まんがは改訂が入ることがあり、古い版だと近現代の記述が現在と異なる場合があります。発行年を確認してから購入すると安心です。
- 世界の歴史もそろえたほうがいいですか?
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まずは日本の歴史だけで十分です。日本史を読み切って興味が続くようなら、世界の歴史に進むとよいでしょう。最初から両方そろえると量に圧倒されてしまいます。
- 1冊だけ試し読みできますか?
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ほとんどのシリーズは単巻でも購入できます。図書館に置かれていることも多いので、まず借りて反応を見るのが最も確実な方法です。
- 中学生になっても使えますか?
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中学校でも社会科の歴史的分野で通史をたどるため、買い替えずに復習用として置いておけます。教科書の記述は簡潔なので、出来事の前後関係があいまいなときに該当の巻だけ開く、辞書のような使い方が向いています。高校受験の対策としては、用語集や問題集と組み合わせて使うことになります。
まとめ
歴史まんがは小学2〜3年生から読み始めるご家庭が多く、学校で日本史を習うのは6年生からです。学年にこだわらず、お子さんの読書量を目安にすると判断しやすくなります。
シリーズ選びは目的次第です。入門ならKADOKAWA版や学研版、中学受験を見すえるなら近現代が手厚い集英社版・講談社版が候補になります。迷ったら実物を開いて、お子さん自身に選んでもらいましょう。
候補を絞り込むときの確認事項を、あらためて並べておきます。
- 学年よりも、活字の本を1冊読み終えられるかどうかを目安にする
- 入門なら読みやすさと色づかい、受験を見すえるなら明治以降の巻数を見る
- 20巻前後は棚の幅を取るので、届く前に置き場所を測っておく
- シリーズ名が同じでも、別巻の冊数や特典で中身と価格が変わる
- 電子版は棚がいらない一方、きょうだいで同時に読むなら紙が向く
大切なのは、買って終わりにしないことです。近現代の巻から読ませる、目につく場所に置く、親も一緒に楽しむ。この3つを意識すれば、1万円を超える買い物がしっかり生きてきます。









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