「9月の誕生石って何だろう?」と調べてみると、サファイア以外の石の名前も出てきて、結局どれなのか迷ってしまった方もいるのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、9月の誕生石はサファイアとクンツァイトの2種類です。長くサファイア1つでしたが、2021年の改定でクンツァイトが新たに加わりました。
この記事では、それぞれの石言葉や意味、名前の由来をやさしくまとめました。贈り物選びの参考にもなるよう、サファイアの色の種類やお手入れのヒントもあわせて紹介します。
9月の誕生石はサファイア|2021年の改定で新たな石も
9月の誕生石は、深い青色が美しい「サファイア」と、やさしい藤色の「クンツァイト」の2つです。主役は昔から親しまれてきたサファイアで、クンツァイトは近年になって加わりました。まずは2種類をひと目で比べられるよう、表にまとめました。

| 石の名前 | 主な石言葉 | カラー |
|---|---|---|
| サファイア | 誠実・慈愛・徳望 | 深い青が代表的 |
| クンツァイト | 純愛・無償の愛・可憐 | やさしい藤色・ピンク |
この2種類という区分は、全国宝石卸商協同組合が公表しているリストに沿ったものです。2021年12月20日付の改定版で、同組合が山梨県水晶宝飾協同組合・日本ジュエリー協会の承認を得たうえで新しい石を加えました。
組合の公式サイトには月ごとの石を調べられる一覧が置かれており、改定後の内容はそこで確認できます。ジュエリー店の表示やカタログ、オンラインショップの商品説明で9月が2石になっているのは、この一覧が更新されたためです。
2021年の改定でクンツァイトが追加された
日本の誕生石は、1958年に全国宝石卸商協同組合が初めて定めたものが基準になっています。その後、長いあいだ大きな変更はありませんでした。
ところが2021年12月20日、63年ぶりに誕生石が改定されます。このとき新たに10種類が加わり、全部で29石になりました。9月のクンツァイトも、このタイミングで仲間入りした宝石のひとつです。
このとき加わった10種類は、アイオライト、アレキサンドライト、クリソベリル・キャッツアイ、クンツァイト、ジルコン、スピネル、スフェーン、タンザナイト、ブラッドストーン、モルガナイトです。名前を聞いたことのある石も、初めて見る石も並んでいます。
追加先は月ごとに振り分けられ、8月はスピネル、12月はジルコンとタンザナイトという具合です。9月に置かれたのがクンツァイトで、もともと9月の石だったサファイアはそのまま残されています。

サファイアは知っていても、クンツァイトは初めて聞いたという人が多いのは、加わってまだ日が浅いからなんですね。
サファイアの意味・石言葉と由来
9月の誕生石といえば、まず思い浮かぶのがサファイアでしょう。吸い込まれるような深い青色が印象的で、指輪やネックレスでも根強い人気を持つ宝石です。


石言葉は、贈り物に意味を添えるときの手がかりとして使われます。カードに一言書き添える、選んだ理由を口頭で伝えるといった使い方が中心で、身につける人が意味を知らなくても差し支えはありません。手紙やメッセージに書くなら、石言葉そのものより「なぜその言葉を選んだか」を一行足すほうが伝わります。
サファイアが選ばれる場面は誕生日にかぎらず、結婚記念日や長い付き合いの節目にも名前が挙がります。落ち着いた青と、まっすぐさを表す言葉の組み合わせが、年月を重ねた関係に重ねやすいためです。宝石の名前にくわしくない相手でも、青という色そのものは印象に残ります。
サファイアの石言葉(誠実・慈愛・徳望)
サファイアの石言葉は、誠実・慈愛・徳望などとされます。落ち着いた青色が、まっすぐで揺るがない心を思わせることから、こうした意味が結びついたと考えられています。
古くは「聖職者の石」として大切にされ、心を穏やかにし、正しい判断を助けてくれる石とも語り継がれてきました。誠実さを表す石として、記念日の贈り物にも選ばれています。
三つの言葉のうち「徳望」は、人としての徳と、周囲から寄せられる信頼の厚さを指します。サファイアが聖職者や指導者と結びつけて語られてきた歴史とも重なる言葉で、目上の相手への贈り物に添える一言としても使えます。
名前の由来と「青」の意味
サファイアという名前は、「青」を意味する言葉に由来するといわれています。ラテン語の「サッピルス」やギリシャ語の「サッペイロス」がもとになったとされ、いずれも青にまつわる言葉です。
日本語では「蒼玉(せいぎょく)」や「青玉」と呼ばれることもあります。名前そのものが色を表しているほど、青はサファイアを象徴する色といえます。
鉱物としての呼び名も色と結びついています。サファイアが属するコランダムの和名は「鋼玉(こうぎょく)」で、そのうち青いものを「青玉」、赤いものを「紅玉」と呼び分けてきました。宝石名と鉱物名が別々にあるのは、こうした呼び分けの名残です。
英語のsapphireも、宝石の名前であると同時に濃い青を指す色名として使われます。「サファイアブルー」という表現が服や車の色に登場するのはそのためで、日本語の「蒼玉」と同じく、名前そのものが色を語っている点は共通しています。
ブルー以外にもある?サファイアの色
サファイアといえば青のイメージが強いですが、実は青以外の色もあります。サファイアはコランダムという鉱物の一種で、その中で赤いものだけを「ルビー」、それ以外の色をまとめて「サファイア」と呼びます。
そのため、次のようにさまざまな色のサファイアが存在します。
- ブルーサファイア:もっとも代表的な深い青色
- ピンクサファイア:やわらかなピンク色
- イエローサファイア:明るい黄色
- パパラチアサファイア:オレンジがかった希少な色合い
青以外の色は「ファンシーサファイア」と呼ばれ、青とはまた違った魅力があります。誕生石として選ぶときも、好みの色を探してみるのも楽しみのひとつです。
色の違いを生むのは、結晶に取り込まれたごくわずかな金属成分です。コランダムは本来無色で、鉄とチタンが入ると青く、クロムが入ると赤やピンクに見えます。
青い石については、産地の名前が値段の話といっしょに出てくることもあります。米国宝石学会(GIA)は、カシミール産にもっとも高い価格がつくとしたうえで、ミャンマー、スリランカ、マダガスカルからも最高品質の石が産出すると説明しています。産地が色を保証するわけではないものの、店頭で見比べるときの目印にはなります。
2021年に加わった9月の誕生石「クンツァイト」
2021年の改定で9月に加わったのが、クンツァイトです。サファイアの凛とした青とは対照的に、やわらかな藤色やピンク色をした、やさしい雰囲気の宝石です。
採れる場所はアフガニスタン、ブラジル、マダガスカル、アメリカのカリフォルニア州などで、サファイアのように世界各地で採れる石ではなく産地はかぎられています。ペグマタイトと呼ばれる岩のなかで大きな結晶に育つことがあり、宝石としても数カラット単位の大ぶりな石が見つかります。
色そのものは淡いため、小さく仕上げると色が薄く見えてしまいます。クンツァイトのジュエリーに存在感のある大きさのものが多いのは、大きめにカットしたほうが藤色やピンクがはっきり出るからです。
クンツァイトの石言葉と特徴
クンツァイトの石言葉は、純愛・無償の愛・可憐などとされます。透明感のある淡い色合いが、まっさらで純粋な気持ちを思わせることから、こうした意味が結びついたようです。
クンツァイトは1902年にアメリカで見つかった、比較的新しい宝石です。宝石学者のジョージ・クンツにちなんで名づけられました。光の当たり方で見え方が変わる性質があり、繊細で上品な印象を持つ石として親しまれています。
鉱物としてはスポジュメン(和名・リシア輝石)の一種で、淡いピンクや藤色はマンガンの働きによるものです。緑色に発色したものはヒデナイトという別の宝石名で呼ばれ、クンツァイトの名は色のついたスポジュメンのうち、この色合いのものだけを指します。
クンツァイトを選ぶときのヒント:クンツァイトは、強い光や熱で色が薄くなることがあります。日常づかいのアクセサリーにする場合は、直射日光の当たる場所に置きっぱなしにしないなど、少し気づかってあげると色合いが長持ちします。
なぜ9月に加わった?誕生石改定の背景
今回の改定は、日本の誕生石を世界の基準に近づけたり、より多くの人が選べるようにしたりする目的で行われました。国内で流通している宝石の実情に合わせて、なじみ深い石が新たに加えられています。
もともと日本の誕生石は海外のものを参考に定められましたが、長い年月のあいだに世界の誕生石とは少しずつ違いが出ていました。今回、そうした差を見直し、時代に合った形へと整えられたのです。
石の選び方には二つの流れがありました。海外の一覧ですでに使われていた石を日本の一覧にも取り入れる形と、日本で親しまれてきた石を独自に加える形です。追加された10種類には、その両方が混ざっています。
一方で、改定前から各月に置かれていた石は外されませんでした。9月のサファイアが残ったのもそのためで、今回の改定は石を入れ替えるのではなく、選べる石を増やす方向で行われています。
9月とは別に、この改定で石の数が大きく増えた月もあります。12月は現在4種類が並んでおり、数のうえでは9月を上回ります。


9月の誕生石にまつわる豆知識
ここでは、9月の誕生石をもっと楽しむための豆知識を紹介します。石の丈夫さや、贈るときのちょっとしたポイントを知っておくと、選ぶときの参考になります。
お手入れの方法は、2つの石で分けて考えます。サファイアは硬く安定しているため、ぬるま湯に中性洗剤を溶かした液で洗い、やわらかい布で水気を拭き取る方法が使えます。GIAの案内では、処理をしていない石や、加熱処理・拡散処理をした石であれば、超音波洗浄機やスチーム洗浄機も通常は安全とされています。
ただし、割れ目を樹脂などで埋めた石や染色された石は例外で、湿らせた布で拭くだけにとどめます。クンツァイトはさらに慎重で、こうした機械での洗浄は避け、温かい石けん水でやさしく洗うのが基本です。硬度が6.5〜7とサファイアより低く、決まった向きに割れやすい性質を持つためです。
サファイアの硬さと身につける魅力
サファイアは、宝石の硬さを表す「モース硬度」で9とされ、ダイヤモンド(10)に次ぐ硬さを持ちます。傷がつきにくく丈夫なので、毎日身につけるジュエリーにも向いています。
この丈夫さは、変わらぬ心や強い絆の象徴とも重ねられます。誠実という石言葉ともあいまって、長く使い続けられる贈り物として選ばれてきました。
モース硬度が表すのは「傷のつきにくさ」で、衝撃に対する強さとは別の性質です。硬度9のサファイアでも、硬いものに強くぶつければ欠けることはあります。石を長くきれいに保つなら、力仕事や水仕事の前に外す習慣が役に立ちます。
硬さは見た目にも効いてきます。表面が細かい傷でくもりにくいぶん、カットの面がシャープなまま残り、光を受けたときのきらめきが長もちします。何年も身につけるジュエリーで硬度が話題になるのは、この差が出るためです。
サファイアは硬くて扱いやすく、石言葉も「誠実」。記念の贈り物として、とてもバランスのよい宝石といえます。
誕生石はいつ・どう贈るといい?
誕生石は、その月に生まれた人へのプレゼントとして定番です。とくに誕生日はもちろん、記念日やお祝いの節目に贈ると、特別な意味を添えられます。
選び方に迷ったら、次のような視点で考えてみるとよいでしょう。
- ふだん身につけやすいデザインか
- 相手の好きな色に近い石か(サファイアなら青以外の色も候補になる)
- 石言葉の意味を添えてメッセージにできるか
石言葉をひとこと添えて渡すと、贈り物の気持ちがより伝わりやすくなります。「誠実」「純愛」といった言葉は、大切な相手へのメッセージにもぴったりです。
アイテム選びで迷ったときは、身につける場所から絞るのが近道です。指輪は相手のサイズを確かめる必要があるため、サイズの心配が少ないネックレスやピアス、ブレスレットのほうが選びやすくなります。クンツァイトのように色の淡い石は、顔まわりで見せると藤色の印象が伝わりやすくなります。
石ではなく花を選ぶ道もあります。9月の誕生花は日ごとにも割り当てがあり、生まれた日そのものに合わせて選べる点が誕生石との違いです。


よくある質問
- 9月の誕生石はサファイアだけですか?
-
いいえ。もともとはサファイア1つでしたが、2021年の改定でクンツァイトが加わり、現在は2種類です。
- サファイアは青色以外もありますか?
-
はい。サファイアは赤色(ルビー)以外のコランダムを指すため、ピンクや黄色、オレンジなどさまざまな色があります。
- サファイアの石言葉は何ですか?
-
「誠実」「慈愛」「徳望」などとされます。落ち着いた青色にちなみ、まっすぐな心を表す石とされています。
- クンツァイトはどんな宝石ですか?
-
淡い藤色やピンク色をした、透明感のある宝石です。石言葉は「純愛」「無償の愛」などで、やさしい雰囲気が魅力です。
- サファイアの「加熱処理」とはどういう意味ですか?
-
色を整えるために石を高温で熱する処理のことです。サファイアでは広く行われている一般的な方法で、処理をした石も天然のサファイアとして扱われます。加熱の跡が確認されない石は数が少なく、価格が高くなる傾向があります。
まとめ
9月の誕生石は、深い青のサファイアと、やさしい藤色のクンツァイトの2種類です。最後に、この記事のポイントを振り返ります。
- 主役のサファイアは石言葉が「誠実・慈愛・徳望」で、名前は「青」に由来する
- サファイアは青以外にもピンクや黄色などの色がある
- クンツァイトは2021年の改定で新たに加わった、純愛を表す石
- サファイアは硬度9と丈夫で、記念の贈り物にも向いている
- 9月の2石は、全国宝石卸商協同組合のリスト(2021年12月20日改定)にもとづく
- サファイアは未処理・加熱処理の石なら超音波洗浄機も通常は使える
- クンツァイトは硬度6.5〜7で、機械洗浄は避けて石けん水で洗う
- クンツァイトはスポジュメンの一種で、産地はアフガニスタンやブラジルなど
- 贈るときはネックレスやピアスならサイズの確認がいらない
9月生まれの方への贈り物には、石言葉「誠実」のサファイアがおすすめ。色や意味を選ぶ楽しさも、誕生石ならではの魅力です。
9月とは反対に前の月へさかのぼると、8月の誕生石はペリドット・サードオニキス・スピネルの3種類で、選び方の前提が変わります。


翌月・10月の誕生石はオパールとトルマリンの2つです。1つの月に2種類あるときの選び方も、あわせて確認してみてください。











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