小学生の読書感想文は「3つのパート」で考える
読書感想文の基本は「はじめ・なか・おわり」の3パート構成です。この型を押さえるだけで、何を書けばいいのか迷いにくくなります。
原稿用紙を前にして手が止まってしまうのは、全体の設計図がないまま書き始めてしまうことが原因です。まずは3つのパートそれぞれに何を書くか決めてから、本文を書き始めましょう。
基本構成は「はじめ・なか・おわり」
読書感想文の構成は、次の3パートに分けて考えます。
- はじめ:この本を選んだ理由やきっかけ、本の簡単な紹介
- なか:心に残った場面とその理由、自分の体験とのつながり
- おわり:本を読んで考えたこと、これからどうしたいか
「なか」のパートが感想文の中心になります。ここに自分の気持ちや考えをしっかり書くことで、読みごたえのある感想文になりますよ。
各パートで書く内容と分量の目安
| パート | 書く内容 | 分量の目安 |
|---|---|---|
| はじめ | 本を選んだ理由・あらすじ(簡潔に) | 全体の2割 |
| なか | 心に残った場面・理由・自分の体験 | 全体の6割 |
| おわり | 学んだこと・これからの目標 | 全体の2割 |
よくある失敗が、あらすじを長く書きすぎてしまうケースです。はじめのパートは全体の2割程度に収めて、自分の感想を書く「なか」にしっかり文字数を使いましょう。
原稿用紙の使い方と文字数の目安
学年ごとの読書感想文の文字数は、一般的に以下が目安とされています。
| 学年 | 文字数の目安 | 原稿用紙 |
|---|---|---|
| 1〜2年生 | 800字以内 | 400字詰め×2枚 |
| 3〜4年生 | 1,200字以内 | 400字詰め×3枚 |
| 5〜6年生 | 1,200字以内 | 400字詰め×3枚 |
原稿用紙の基本ルールとして、題名は上を2〜3マス空けて書き、名前は下が1〜2マス空くように書きます。段落の書き出しは1マス空けることも忘れずに。

書く前の準備|本の選び方と読み方のコツ
感想文を最後まで書き切るために大切なのは、「書きやすい本」を選ぶことです。どんなに良い本でも、自分の気持ちが動かなければ感想は出てきません。
感想文が書きやすい本の選び方
読書感想文に向いている本は、「自分と似た体験が出てくる本」や「読んで気持ちが動いた本」です。話題の本や賞を取った本でも、興味がなければ感想は書きづらくなります。
- 主人公と自分の年齢が近い物語
- 日常の出来事やなやみがテーマの本
- 読み終わったあと「自分ならどうする?」と考えられる本
- 最後まで読み切れるページ数の本
学校で課題図書が指定されている場合は、その中から自分が一番気になるものを選びましょう。指定がなければ、図書館や書店で実際に最初の数ページを読んでみて、読みやすいと感じた本を選ぶのがおすすめです。
読みながら付箋メモを残す方法
本を読む前に付箋を手元に用意しておきましょう。読んでいて心が動いた場面に付箋を貼り、そのとき感じたことを一言メモするだけで、あとから感想文を書くのがずっと楽になります。
付箋メモには、次のような内容を書いておくと便利です。
- 「びっくりした」「うれしくなった」「悲しかった」などの感情
- 「自分にも似たことがあった」と思った場面
- 「なぜこうしたんだろう?」と疑問に思った場面
付箋は3〜5枚を目安に。貼りすぎるとどれが大事かわからなくなるので、特に心が動いた場面にしぼるのがコツです。
【低学年】1〜2年生の読書感想文の書き方
低学年の読書感想文は、お子さんが感じたことを素直に書くだけで十分です。うまくまとめようとする必要はありません。

低学年向けの本の特徴と選び方
1〜2年生には、絵が多く文章が短い絵本や児童書がおすすめです。身近な生活や動物が出てくるお話は、感想をもちやすいジャンルといえます。
読み聞かせをしてもらってから自分で読み返す方法も、低学年にはとても効果的です。物語の流れがわかった状態で読むと、細かい場面にも気づきやすくなります。
「すきなところ」から広げる書き方
低学年の場合は、「この本で一番すきなところはどこ?」を出発点にするのが書きやすい方法です。
付箋を貼った場面の中から、一番すきな場面を1つ選びます。
「どうしてそこがすきなの?」と問いかけて、理由を言葉にします。
「自分にも似たことがあった」「自分だったらこうする」という気持ちを書きます。
親の声かけサポート例
低学年のお子さんは、自分の気持ちを文章にするのがまだ難しい時期です。保護者の方が質問で引き出してあげると、書く内容が見つかりやすくなります。
- 「この場面を読んだとき、どんな気持ちだった?」
- 「○○ちゃん(くん)にも似たことあった?」
- 「主人公にお手紙を書くとしたら、なんて書く?」
【中学年】3〜4年生の読書感想文の書き方
3〜4年生になると、自分の体験と本の内容をつなげて書けるようになります。「似た経験をしたことがあるか」を考えるのが、感想を深めるカギです。
中学年向けの本の特徴と選び方
中学年には、友だちとの関わりや家族のお話、ちょっとした冒険がテーマの本が向いています。自分の日常と重ねやすい内容だと、感想が自然に出てきます。
文字数が多い本に無理に挑戦する必要はありません。最後まで集中して読める長さの本を選ぶことが、感想文の質にもつながります。
「自分の体験」とつなげる書き方
中学年の感想文では、本の場面と自分の体験をセットで書くことを意識しましょう。
たとえば、「主人公が友だちとけんかして仲直りする場面」を読んで心が動いたなら、「自分も友だちとけんかしたことがあって、そのときは…」と自分のエピソードを書きます。すると感想が具体的になり、あらすじの紹介だけで終わるのを防げます。
読書感想文は「本の紹介文」ではなく「自分の気持ちを書く文章」です。あらすじは短くまとめて、自分がどう感じたかに文字数を使いましょう。
構成メモの作り方
原稿用紙に書き始める前に、構成メモを作ると流れが整理できます。ノートや紙に、次の4つを箇条書きするだけで十分です。
- この本を選んだ理由(1〜2行)
- 心に残った場面とその理由(2〜3行)
- 自分の似た体験やそのとき思ったこと(2〜3行)
- 本を読んで学んだこと・これからどうしたいか(1〜2行)
この構成メモがそのまま「はじめ・なか・おわり」の設計図になります。メモができたら、あとはそれぞれをふくらませて文章にしていくだけです。
【高学年】5〜6年生の読書感想文の書き方
5〜6年生は、感想をさらに一歩深めて「自分はどう考えるか」まで書けると、ぐっと読みごたえのある感想文になります。
高学年向けの本の特徴と選び方
高学年には、社会の問題や人の生き方を考えさせるテーマの本がおすすめです。伝記やノンフィクション、戦争・環境・多様性をテーマにした物語などは、自分の意見を書きやすいジャンルです。
もちろん物語が好きなら、主人公の成長を描いたフィクションでも構いません。「読んだあとに何か考えさせられたか」を基準に選ぶとよいでしょう。
「考えたこと・学んだこと」を深める書き方
高学年の感想文では、「なぜそう思ったのか」を掘り下げることが大切です。
心に残った場面について「すごいと思った」で終わらせず、「なぜすごいと思ったのか」「自分と何が違うのか」「もし自分だったらどうするか」まで考えて書きましょう。この「なぜ?」の問いかけを繰り返すことで、感想に深みが出ます。
- なぜその場面が心に残ったのか?
- 自分だったら同じ行動を取れるか?
- この出来事は身のまわりにもあるか?
- 読む前と読んだあとで、自分の考えは変わったか?
書き出しと締めくくりを工夫する
高学年では、書き出しと締めくくりに少し工夫を加えると、印象に残る感想文になります。
書き出しの工夫として、「この本を読んだのは〜」と始めるのではなく、一番心に残ったセリフや場面からスタートする方法があります。読み手の興味を引くきっかけになるでしょう。
締めくくりは、「おもしろかったです」ではなく、「これから自分はどうしたいか」「どんな人になりたいか」という未来への意志で終えると、読み手に気持ちが伝わりやすくなります。
よくある失敗パターンと直し方
読書感想文を書いていると、多くの小学生がつまずくポイントがあります。よくある失敗を知っておけば、事前に避けることができます。

あらすじばかりになってしまう
最も多い失敗パターンが、本のあらすじをそのまま書いてしまうケースです。感想文はあくまで「自分の感想」が主役なので、あらすじは3〜5行程度に抑えましょう。
- あらすじはどのくらい書けばいいですか?
-
「どんな主人公が、どんなことをするお話か」が伝わる程度で十分です。結末まで書く必要はありません。全体の1〜2割を目安にしましょう。
感想が「おもしろかった」で終わる
「おもしろかった」「感動した」だけでは、読み手に気持ちが伝わりません。大切なのは「なぜおもしろいと思ったのか」を書くことです。
「主人公が○○した場面がおもしろかった。なぜなら〜」と理由をセットにするだけで、感想の質がぐっと上がります。低学年でも「どうしておもしろかったの?」と声をかけてあげれば、理由を言葉にできることが多いものです。
最後まで書ききれない
途中で手が止まってしまう原因の多くは、構成メモを作らずにいきなり書き始めていることです。
もし指定の文字数に足りない場合は、「なか」のパートで「もう一つ心に残った場面」を追加するとバランスよく文字数を増やせます。
まとめ|読書感想文は「型」を知れば怖くない
小学生の読書感想文は、「はじめ・なか・おわり」の3パート構成を押さえるだけで格段に書きやすくなります。
- 構成は「はじめ・なか・おわり」の3パートで考える
- 本は「自分の気持ちが動くかどうか」で選ぶ
- 読みながら付箋メモを残すと、あとで書きやすい
- あらすじは短くまとめて、自分の感想に文字数を使う
- 低学年は「すきなところ」、中学年は「体験とのつながり」、高学年は「考えたこと」が軸になる
大切なのは、上手に書くことではなく、本を読んで感じたことを自分の言葉で伝えることです。型を使って「何を書くか」さえ決まれば、あとは自分の気持ちを素直に書いていくだけですよ。
学校の宿題で困ったときは、親子で一緒に構成メモを作るところから始めてみてくださいね。

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